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【2023年予測】転職市場動向 JAC Recruitment

  1. 転職市場

公開日:2023/01/13 / 最終更新日: 2023/01/19

ミドル・ハイクラス(30代・40代・50代)の管理職・専門職の転職は、

今、動くべきか


ミドル・ハイクラス(30代~50代)の管理職、または専門職で転職を考えている方にとっては、今が、果たして転職にとって有利な時期かどうか気になるところでしょう。JAC Recruitmentの新規求人数も2020年に一時落ち込みましたが、2022年上半期には既に過去最高水準に回復。現在の転職市場の環境は決して悪くなく、今後も堅調に推移すると予測されます。
そこでJAC Recruitment(以下、JAC)のプリンシパルアナリスト黒澤敏浩が、2023年のミドル・ハイクラスの転職市場について、解説します。

IT業界はじめ、ほぼ全業界・全職種の求人数が当社過去最高水準に増加


IT業界

業界・業種別でいえば、IT業界の求人数には衰えが見られず、むしろ増えています。これは、大きな特徴です。特にB to Cの場合は、e-コマース、ゲーム、動画配信などのエンターテインメントなどのマーケティング関連の求人が、B to Bの場合は社内でのデジタイゼーション、即ち、会議システムやクラウド関連、サイバーセキュリティやデータセンター関連の求人が増えています。

また、各事業会社におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進においては、従来型の社外発注の体制から、社員が迅速・柔軟に推進する体制にシフトしてきています。社内にシステム専門人材を採用して配置し、内製化する動きが拡大。そのため、各業界で社内システムに詳しい経験者の採用が強化されています。
さらに関連して、ITや他の分野のコンサルティング需要が継続的に大きく増加しており、IT系コンサルティングファームや戦略系コンサルティングファームなどでは、未経験者のコンサルタント採用が増加しています。

ライフサイエンス関連業界

増加傾向が続いているライフサイエンス(医薬品・医療機器)関連についても、引き続き多くの新規求人が続いています。

電気・機械製造業

電気・機械などをはじめとする製造業は2018年の10月以降、下降・低調傾向にありましたが、現在は、新規求人も当社過去最高水準に戻ってきています。

エネルギー業界

新エネルギー業界、特に太陽光・風力などの再生可能エネルギー業界では、2020年以前から活発に投資が行われ、求人も多く、その傾向は現在も続いています。

ESG/SDGs関連

金融機関や事業会社において、ESG/SDGsの投資に関連するポジションの採用が増加しています。
例えばJACの扱う求人において、ポジション名に「SDGs」という単語が含まれる2022年の新規求人は、2021年に比べて5倍程度に増えています。

インサイドセールス

業界横断的な傾向として、インサイドセールスの需要が高まってきていることが挙げられます。以前は外資系ITなどに限られていた傾向でしたが、現在では、積極的にインサイドセールスの強化を図る例が増えてきており、今後も継続されると予測されています。

地方中堅オーナー企業の幹部採用のニーズが増加

注目すべきは、地方の中堅オーナー企業の世代交代に伴い、幹部採用のニーズが高まっていることです。地方の中堅オーナー企業の2代目、3代目は、もともと大都市圏で仕事をした経験がある方が多く、ともに事業を成長させてくれる優秀な人材を採用するには、それなりの給与や待遇を用意する必要があることを理解しています。

以前は、「この地域では、どんなに有能な部長といえどもこの金額が上限」という感覚で給与が設定されることが多かったですが、現在は年収700万円から800万円以上で採用される例が増えています。

例えば、地方本社企業の地方勤務案件での年収800万円以上でのミドル層(35-54歳)の採用は、2019年から横ばいと堅調に推移しており、さらに、2022年に入ってからは、9年前の4倍程度に増加。2023年についても、この傾向は続くことが予想されています。

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景気を確認しつつ転職を

ここまで書いている通り、現状の採用市場は少なくともこの30年ほどで最高の状況にあります。ただし、注意していただきたいのは2023年を含む今後の先行きです。

アメリカ景気後退の影響を受ける可能性も

2008年のリーマンショック・世界同時不況を乗り越えるために先進各国で実施していた大規模な金融緩和の終わりが、特に米国で出口政策が取られるようになってきています。これにより、日本の景況感を左右する可能性があります。

基本的に転職は、自分のタイミングで考えれば良いものです。しかし、近いうちに、異分野へ転職を考えているのであれば、チャレンジする業界が景気の影響を受けるかどうか、最新の動向を調べておくことも重要です。

資金調達企業への転職は状況を調べておく

2022年NEXTユニコーン調査※によると、4割近くの企業が資金調達環境は悪化したと回答しているように、金融引き締めの影響は一定数あります。そのため、「ビジネスがまだ赤字であるものの、資金調達により拡大している」企業への転職は事前に状況を調べておくことをお勧めします。特に、安定した大企業から、スタートアップ企業に初めて転職する場合については、事前調査がいっそう重要になります。

各業界・各企業の状況は、個人で情報収集するには難しい場合もありますので、業界・企業情報を熟知しているJACのコンサルタントにぜひご相談ください。
※日本経済新聞社調べ

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転職検討は業界動向や企業状況を確認する


ミドル・ハイクラスの現在の転職市場は、冒頭で述べたとおり、過去最高の良い状態にあります。

もし転職を検討しているのであれば、延期する必要はありません。ご自身の状況と転職先の業界や企業の状況を確認して判断してください。

留意しておきたいのは、退職の申し出は、転職先の内定通知書(オファーレター)を手にしてから、ということ。この順序を逆にしなければ、基本的には、予想が外れて現在より悪い条件の仕事に移るということはないはずです。

自分に合った転職先を1つ見つけることが重要


ミドル・ハイクラスの転職において重要なのは、自分にあった転職先を「たった1つ」見つけることです。
その「たった1つ」を見つけるためには、企業のことをよく知り、その求人の背景をよく理解できている人と直接話をする、メールで相談するなどして情報を収集することが大切です。

JACのコンサルタントは、人を探している企業と、応募する方、両方にコンサルティングを行っています。そのため、JACのコンサルタントは常に企業の新しい情報や、必要とされるポジションに関する情報を日々アップデートしています。

転職したい業界の市場動向が少しでも気になりましたら、気軽にJACのコンサルタントに相談してください。


転職市場やご自身の市場価値を把握することが、転職成功への第一歩です。
JACのコンサルタントは、業界に特化した企業専任コンサルタントです。

詳細な最新情報を知りたい方は、ぜひご相談ください。


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黒澤 敏浩

プリンシパルアナリスト

ホワイトカラー中途採用マーケット分析の専門家。人材サービス産業協議会外部労働市場賃金相場研究会委員。JAC リクルートメント グループ各国から集計した、グローバルな中途採用関連データに基づくリアルな分析が、各方面で好評を博している。東京大学法学部卒業後、JACリクルートメント入社。コンサルタントを経て、自社の人事、広告、広報、内部監査、事業企画などを担当し、現職。日本人材マネジメント協会執行役員。日本証券アナリスト協会認定アナリスト。