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転職市場に限らず、2020年は社会的に広く大きな変化や新たな動きが相次ぎました。
弊社のコンサルタントから日系製造業、エグゼクティブ採用、外資系IT業界の各担当者が参加し、3名による座談会を実施しました。 この1年間を通した新型コロナウイルスによる影響を含めた各業界の動きを総括し、2021年の転職市場の動向を予測するとともに、今後求められるのはどのようなスキルを持った人材なのか、それぞれの視点から解説します。

(左)浅利 - 大阪Executiveディビジョン (中央)出口 - 外資ITディビジョン (右)森 - 日系製造業ディビジョン

2020年に各業界で起こった変化と新たなトレンド

——新型コロナウイルスの流行など、2020年は世の中の環境が大きく変わった年でした。 まずは担当業界の現状と、今年変化したこと、しなかったことを教えてください。

浅利: 私は業界をまたいだエグゼクティブ採用を担当しているので、業界に特化した視点ではありませんが、2020年はやはり一言で「コロナの年」でした。
人材業界もクライアント企業も、人々の働き方も含めて根本的に変わったと感じています。
業界や企業の規模に限らず、大きく影響を受けたところ、影響を受けずコロナ禍がむしろ追い風になったところなど状況は個別に違っています。
大きな変化としては、リモート面接が浸透しました。しかしここでも、役員の最終面接までリモートで完結するところもあれば、一方でこれまでと変わらず最終面接は必ず対面だったりと様々です。
トレンドの変化としては、グローバル人材系、弁護士や会計士などの士業系、事業会社の役員クラスなどで需要が高い印象でした。
大手企業でグローバルHRを推進していくニーズがあったり、法務部長などのポジションに弁護士などの資格を持った方、中でも女性を求められる動きがありました。
エグゼクティブ求人は基本的に景気に影響されないと言われます。今回のコロナ禍でも、景気が下がり要件は厳しくなったものの、一部の業界を除いて概ね影響は感じませんでした。

出口:外資系のIT業界においては、今年は特に大きくコロナの影響が見られました。
日本の状況に関わらず、意思決定する本社がある欧米の感染状況によってストップがかかるパターンが多く、一時は求人数が激減しました。現在は求人数が増えつつありますが、特に上期は大きな影響を感じていました。
大きな変化としては、働く環境のリモート化に伴い採用もWEB面談へ切り替わったことです。特にITセールスではソフトスキルが求められますが、マッチングや面接における非言語的なジャッジが難しくなり、より端的で分かりやすいコミュニケーション能力を持った人が受け入れられる傾向が生まれました。

——非言語的ジャッジと、端的で分かりやすいコミニケーション能力を持った人とはどのような意味でしょうか。

出口:今まで対面で話してなんとなく感じていた、人柄や雰囲気といったものに対する相性の良さのジャッジです。
それらは画面越しでは伝わりづらいとはいえ、特にセールスは採用後も同じようにWEB商談でお客様と商談することになります。
WEB面談でも簡潔な分かりやすいプレゼンテーションができること、事前に自分のカメラ映りを調整できることなどは、営業だからこそ大事な印象作りであり、お客様との交渉の場を想起させるので、この傾向は今後も続くと思います。

森:製造業界にとって、2020年は非常に厳しい年だったと思います。求人案件が減ったのはもちろん、日系企業は採用意志に関わらず求人を出し続ける傾向があり、結果として低い内定率に留まりました。
この背景には採用意向の温度感や認識合わせにおいて、企業内の人事と現場との間でコミュニケーションに混乱が生じていたのかもしれません。
面接がWEB面談に移行したのは日系製造業でも同じですが、やはり情報の伝わりにくさから、半数ほどは最終的に対面での面接が求められました。
しかし、クライアント側の採用担当者の出社日が減っていたりした事情でスピード感が損なわれ、候補者のモチベーションが下がってしまったり、他社へ流れることもありました。
また、求められる人材領域は、海外出張ができないので日系企業に対する海外事業要員、グローバル化要員の紹介案件が減りました。DX(デジタルトランスフォーメーション)に対する人材ニーズは堅調ですが、購買や物流改善業務など、売り上げが低下するなかでコスト削減や利益確保を望む動きが見られました。


2021年の転職市場では何が起こり、どんなスキルが求められるのか

——今年起こったトレンドは来年どのように変化していくのでしょうか。

浅利:今年以降のトレンドの変化については、新型コロナウイルスのワクチン開発と配布状況や、東京オリンピック開催の可否で変わってくるかと思います。
ただし、BtoC関連企業はコロナ禍のステイホームやリモートワークの追い風を受けているので、その流れは続くかもしれません。
業務改善に課題を抱える企業が多いので、エグゼクティブ領域では引き続きDX人材の需要が続くと共に、幅広い課題に対応できる人材が求められると思います。
特にこれから増加しそうなのは、役員層でも社外取締役です。
コーポレートガバナンス・コードを定めるため、これまでの企業コネクションの外にいる人材、かつできれば女性が求められていく傾向にあります。
求められるスキルは、職位に関わりなくコミュニケーション能力です。
採用されるのは、士業の資格などの強みだけではなく、プラスコミュニケーション能力があること。そこを培う努力が必要となります。
また、地銀を通じて、地場企業の事業継承に際し次期社長のポジションを勤められる人材が求められるケースも増えてきました。
地銀から地場企業の後継者に関する求人が出る背景としては、金融庁が銀行業務の規制範囲を緩和して以降、地銀がコンサルティング部署を持ち、中小企業の事業承継を目的としたM&Aに関わるケースが増えたことが挙げられます。
M&Aにおける一連の手続きのうち、実行管理にあたるエグゼキューションは地銀が本来行う業務の専門外であるため、弊社のような人材エージェントにサポートが求められることがあります。
経営者が高齢化し、かつ後継者が未定となっている中小企業・小規模事業者は127万社といわれ、地銀への事業承継相談は増加しています。
いろいろな地銀から問い合わせをいただきますが、会社によって事業承継の中身は違うので、候補者が何の課題解決を求められるかも違います。
一概にキャリアコンサルに当て込むことができない難しい案件になりますが、今後もニーズは増加するでしょう。

出口:早期に新型コロナウイルスのワクチンが広がり、景気が上昇すれば求人数も戻ると考えるのは、外資系IT業界においても同じです。
オリンピックの開催が確実になれば、諸外国に対して日本のIT先進国アピールが重要になり、デジタル庁の働きも注目されるので、求人増の要因になるかと思います。
どのお客様もDX人材というキーワードを重視しているので、単純に自社のプロダクトやツールを提供するだけでは、市場価値が下がり求人数も減ってしまうのが転職希望者における現状です。
クライアントの要望だけでなく、潜在的なニーズ、シーズを汲み取るコンサルテーションが求められ、「モノ売り」から「コト売り」へ変化していく流れは業界を問わず顕著になっていると感じます。
これまで身につけてきたソリューションを素地に持ちつつ、広い視点で今後の需要や課題を見極めなければいけません。そのためにも、先ほど触れたコミュニケーションスキルを磨きつつ、今後のキャリアのために情報を収集する必要があります。
とはいえ、こうした傾向は今年始まったものではないので、以前から常に情報収集していたり、キャリアプランを考えてアンテナを張っていた方にとっては、評価されやすい環境になっていると思います。

森:日系製造業界においては、アメリカ次期大統領の動向によっては米中間の緊張状態が緩和し、日本と中国の輸出事情にも変化が望めるかもしれません。
ただ、オリンピック後に見込まれていた景気の下降が既に始まっている状況なので大きな変化を望むのは難しく、転職市場は現状維持が続くと思います。
今後のトレンドに関しては、特に上場企業のメーカーは安全管理意識が高く、今後も在宅勤務は続くと見られます。
そうした環境で求められるスキルは、実務経験者よりも業務改善の経験者に変わりつつあります。
人事も新たな環境で制度の見直しに手を取られていたりする中で、すぐに現場で役立つ経験値を持った人を増やしたいという声は少なく、過去にどんな業務に対して問題を解決した経験があるかが問われています。
2年ほど前までは求人数がうなぎ登りに増加しており、人員増加と即戦力のマンパワーが求められていたのが、去年頃からニーズが変化し、課題解決力が重視されるようになりました。
特にプロジェクトマネージャー、業務改善や新規事業の立ち上げ経験者は歓迎される傾向にあります。

2021年の転職市場で必要とされる人材になるために必要な備え

——2020年は転職を希望される候補者にとっても複雑な環境だったと思います。どのような相談がありましたか?

浅利:「このコロナ禍に他の人はどうしていますか?」という相談が増えました。他の人の動きを知った上で、リモートでできるこの期間を有効活用しようという考える人と、現状を警戒して求人に対しても慎重になる人に別れています。
無理に動く必要はなく、ケースバイケースとお話ししていますが、リーマンショックの時に転職希望者が殺到する直前に動いた方のほうが上手くいったというケースもあります。

出口:リモートワークで自宅に1人になることにより、自分の人生や将来のことを考える時間が増えた。そこでキャリアに不安や疑問を感じて、登録や面談にいらっしゃる方が増えたという印象でした。

森:私も相談件数はやはり増え、紹介数も過去最高の件数になりました。
リーマンショックの時期に転職された方は、今でもしっかりとご活躍されている傾向が強いですね。企業側も苦しい状況で厳選してオファーを出した人材なので、それだけ強いメッセージを受け取ったり、大変な時期でも踏ん張れる方だったりするのだと思います。

——世の中の変化とともに、求められる人材も変わりつつあるようです。これからの市場で有利になるためには、どのようなスキルが求められるのでしょうか?

浅利:エグゼクティブ人材とシニア人材は違うので、管理職や役員経験といったエグゼクティブとして求められるキャリアを築いている人が有利になります。
そうしたキャリアパスを逃さないためにも、若いうちからキャリアビジョンを持つことが大切だと思います。情報収拾をして、具体的なキャリアビジョンを描き、目標を作ってほしいです。
そしてコミュニケーション能力。付け焼き刃でなく、普段からプレゼン能力を磨いてほしいと思います。

出口:エグゼクティブ領域同様に、来年に限らず常に情報を収集してほしいです。
例えば、同じ会社で同じような業務を続け、スキル向上ができておらず50歳になっていた、となると、どうしても年齢対比の転職市場で評価が得られなくなります。
人生をどうしたいかは十人十色で、自分の夢に向かってセミリタイアを目指す人もいれば、現役でフロントにバリバリと立ち続けたい人もいます。個々人の価値観や状況に合わせて、中長期目線でスペシャリストのスキル目標やポジションのマイルストーンを考えておくと良いと思います。
何をするべきか迷うときは転職エージェントにキャリア相談をして、自分のスキル整理や市場価値を知ると、きっかけづくりができると思います。
転職はリスクを伴うので、私たちも「現職でもっとこんなキャリアを積んでから動く方がいい」などアドバイスすることもありますが、リスクを抱えてでも自分の人生をより良くしたいという思いは全力で支援したいと思います。

森:プロジェクトの立ち上げや新規事業などにおいて、結果的に失敗したものや上手くいかなかったものは経験にならないでしょうか?と聞かれることがありますが、そんなことはありません。
全ての試みが成功することはあり得ませんし、失敗も含めて全て経験として評価されるので、社内で立ち上がる新たな取り組みには、大きいものでも小さいものでも失敗を恐れず手を上げていくことが大切だと思います。

また、どの業界でも「グローバル」という要素は前提条件になりつつあります。グローバル人材が特別なキーワードでなくなってきている以上、語学力やコミュニケーションスキルが全くないとなると不利になるという状況です。
次に自分がどう動くべきなのか、はっきりと固まっていないという方でも、カジュアルにエージェントを頼っていただければ、棚卸しのお手伝いや市況の解説を含め、今どう動くのがベストなのか助言できると思います。




■コンサルタント紹介■

浅利 - 大阪Executiveディビジョン
IT業界にてSEとして就業した後、海外へ留学。 帰国後、外資公的機関での就業を経て2007年JAC Recruitmentに入社。
東京本社にて公認会計士等の有資格者、コンサルティング業界、金融業界(主に保険業界)などを担当。2018年に現在のエグゼクティブ部門(大阪)へ異動し、経営幹部クラスのポジションを中心に幅広く支援。

出口- 外資ITディビジョン
新卒でJAC Recruitmentに入社
入社後、大手日系製造業や総合商社向けにIT構想含めた現状ヒアリング、組織提案、IT人材提案を経験。及び、エンジニアや社内SEのご登録者のご転職支援に従事。
その後、現在の外資ITマーケットを担当する部署に異動し、セールス・マーティング・事業開発(BD)等の職種を担当。

森 - 日系製造業ディビジョン
新卒でJAC Recruitmentへ入社 当初は東京本社のEMC(エレ、メカ、ケミ)領域を担当。Chemical専門部門の立ち上げとともにマネジメントも経験 エレメカ領域の日系大手企業の専任コンサルタントとして事業企画から技術系職種まで幅広い領域を支援。



※本稿は執筆者の個人的見解であり、ジェイエイシーリクルートメントの公式見解を示すものではありません。
(2020年12月)

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