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転職面接で「退職理由」をポジティブに言い換えるには?

  1. 面接対策

公開日:2022/12/19 / 最終更新日: 2024/04/22

経験者採用の面接では、前職の「退職理由」を聞かれるケースがあります。この際、ありのまま正直に伝えても大丈夫だろうか?と悩む方もいるのではないでしょうか。実際のところ、面接官が退職理由を確認するのには理由があり、転職希望者様の発言から人柄や自社とのマッチング度を探っていると考えられます。そのため、転職希望者様の伝え方次第では面接官にマイナスな印象を与えたり選考に影響が出てしまったりするため、周到な準備をしておく必要がありそうです。

今回は、面接で聞かれる「退職理由」に焦点を当て、面接官に伝える際の注意点やポジティブに言い換える方法、具体的な回答例について紹介していきます。


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転職面接で退職理由はなぜ聞かれるのか?


面接官が退職理由を確認するのは、「転職希望者様が入社後すぐに辞めてしまわないか」を判断するためというのが、主な理由です。

多くの場合、退職理由には転職希望者様自身の不満が含まれます。もし前職の不満が応募企業でもいえることであれば、転職希望者様が同様の理由で退職に至る可能性は高くなります。面接官は長く勤めてくれる人材かどうかを確認するため、転職希望者様へ退職理由を尋ね、その内容が企業側の環境と重ならないかどうかを見ているわけです。

では、他にはどのような理由があるのでしょうか。

人柄を知るため

転職希望者様から「前職の○○が嫌だった」「自身は頑張ったのに評価してもらえなかった」といったマイナス発言が多く聞かれると、面接官は「転職希望者様が社内へ悪影響を及ぼさないだろうか」と不安に思うでしょう。

転職希望者様の発言からネガティブ思考や責任転嫁する様子が感じられると、「仕事を途中で投げ出さないだろうか」「他の社員とコミュニケーションを取りながら勤務できるかどうか」という点で信頼がしづらくなります。このように、面接官が転職希望者様に退職理由を確認するのは、転職希望者様の回答から伺える人柄をチェックするためと言えるのです。

仕事に対する考え方を知るため

さらに、転職希望者様にとって仕事がどのような位置づけにあるのか、働く意味ややりがいを感じながら取り組めそうかといった、転職希望者様の「仕事に対する考え方」を知るため、ということもあります。

もし、転職希望者様から「もっと自分で判断し、貪欲に働きたかった」といった発言があった場合、面接官は転職希望者様に対して「仕事に対する熱量は感じられるものの、チームワークを大切にできるか不安」といった印象を持ってしまう可能性があります。このような仕事に対する考え方は、応募企業の条件や社風に合っているかということも重要で、企業側が転職希望者様とのマッチング度合いを判断しているともいえます。

働く中で何を大事にしているのかを確認するため

転職希望者様の退職理由には、その人の「働くうえで大事にしていること」にリンクしていることもあるでしょう。そのため、面接官は退職理由における最大のポイントを感じ取り、自社で働くことでその問題が解決できるのかという点まで考えながら面接しています。

その結果、転職希望者様の重視しているポイントが応募する企業では叶わないと判断した場合、内定を出したところで辞退されるか、もしくは入社してもすぐに辞めてしまうケースが出てきます。時間と労力をかけて採用する人材がすぐに退職することは、面接官にとって大きな損失です。転職希望者様の胸の内にひそむ「仕事で重視するポイント」を探るためにも、退職理由を確認しているとみておきましょう。

このように、面接官は転職希望者様が述べる退職理由と自社で起こりうる状況とを照らし合わせ、自社への適性をチェックしています。そう考えると、転職希望者様が面接で好印象を得るには、どのような退職理由を述べるのが得策かが見えてきます。

退職理由に関する質問だけでなく、面接で聞かれるあらゆる質問には意図があります。意図とセットで定番の質問を把握しておきましょう。

転職面接でよく聞かれる20の質問一覧と回答例

転職面接でネガティブな退職理由を言ってはいけない


さて、面接で伝えるべきではないネガティブワードには、以下のようなものがあります。

  • 現職への批判
  • 上司の不満
  • 人間関係トラブル
  • 待遇不満

現職を退職する意思があるということは、少なからず何らかの不満があることを意味しますが、面接官に対してこれらのネガティブワードに関する思いをありのままに伝えては、ただの不平不満になる可能性も否めません。

退職理由ではネガティブなワードや内容を伝えると、結果的に自身の印象を悪くすることにつながります。特に人間関係や待遇に関することは、転職希望者様の価値観や人柄が影響している可能性があり、どの企業でも起こりうるものです。よって、退職理由は「もっと自身を高める環境を目指すため」といった前向きな内容にできると、面接官に好印象を与えられます。

退職理由を話す際に押さえるべきポイント


面接で退職理由を伝える際、どのようなポイントを意識すれば面接官に納得してもらえるのでしょうか。

ここからは、マイナスな印象にならない退職理由の伝え方について詳しく見ていきます。

退職理由は具体的に

退職理由の伝え方として大切なのは、具体的にまとめることです。

【残業が多かった】

会社によって残業量はまちまちであるため、「多かった」という表現も面接官には伝わりづらいでしょう。この場合「月45時間の残業が常態化していた」など、数字を用いることでイメージしやすくなります。

【キャリアチェンジやスキルアップ】

非常に抽象的な表現であるため良し悪しの判断がつきません。仮に「前職での経験や成果に満足したため、新たなことに挑戦したい」という理由であっても、「キャリアチェンジ」という一言に集約してしまうと、面接官に自身の努力や良さが伝わらず評価されない可能性があります。自身について誤解を与えないためにも、転職理由を伝える際は、数字や固有名詞、エピソードなどを交えて具体性をもたせるよう意識しましょう。

言わないことを決めておく

面接で退職理由を聞かれた際、自身が思ったことを全て伝える必要はありません。もちろん嘘をつくのはいけませんが、何から何まで正直に打ち明けることで、自身の価値を下げるリスクが生じるのも事実です。

面接では「○○に関することは言わない」とあらかじめ決めておくと失敗を防げます。また、限られた時間内で思いを伝えるには、理由のなかでも「転職によって解決できるエピソード」に絞り、決めたこと以外の要素は控えるよう意識しましょう。

同じことを言っているとしても前向きに表現する

退職理由には愚痴や不満が絡んでいることも多いと思いますが、たとえ同じことを伝えていても前向きな表現に言い換えるだけで面接官に与える印象が変わります。たとえば、長時間労働が退職理由の場合、「仕事の生産性を上げるためにもメリハリをつけて働きたい」とすることで、仕事に対するやる気を感じられるでしょう。また、「ここが嫌だ」という思いは「このようになりたい」とポジティブに言い換えることが大切で、それだけで面接官から好印象に見てもらえます。やりたいことや身に付けたいスキル、将来の展望など、どのように言い換えればプラスになるか、さまざまな視点から考えてみましょう。

退職理由を志望動機と絡めて伝える

退職理由は、応募企業の「志望動機」に絡めることで説得力がアップします。

たとえば「前職では○○に物足りなさを感じていたため、御社へ転職して実現させたいです」という一貫した流れにできると、応募企業に対するメッセージ性を高められるでしょう。

さらに「理想のキャリアプランを追うためにも、退職は必要である」と説明できれば、面接官からの共感を得やすくなり、好印象な退職理由となります。加えて、応募企業で何を目指し行動するのかという具体的なプランまで伝えられると、より高い評価が得られるはずです。


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退職理由をポジティブに言い換える回答例


ここからは、前述の「退職理由で伝えるべきではない項目」を、ポジティブに言い換える回答例について見ていきましょう。

例)社内の人間関係に嫌気が差した

人間関係が良くなかったことが退職理由である場合、以下のように言い換えられます。

『前職は個人の業績が重視されていたため、業務における判断はすべて各担当者に任せられていました。
そのため、職場内では社員同士が連携をとる仕組みが成り立っておらず、互いに高め合ったり良い点を共有しあったりする環境が不足していたように感じます。

私自身としては、互いの強みを活かして目標達成を目指すことで仕事にやりがいを感じるため、個人よりもチームで仕事に打ち込める御社の環境に魅力を感じています。私がメンバーの一員になれた場合は、積極的な行動とコミュニケーションを図りながら仕事に取り組みたいです。』

人間関係に悩んでいた場合、応募企業への転職で解決されることや、自身が積極的に行動したいと考えていることに言い換えると前向きな印象になります。

例)残業が多い

残業に対するストレスが退職理由である場合、以下のように言い換えてみましょう。

『前職では月平均40時間の残業をおこない、メリハリのある職場環境とは言いづらい状況でした。しかし、どうにかプライベートの時間を確保して資格取得に励んでいた際、御社のワークライフバランスを重視した社風が目に留まり、大変魅力的に感じたのです。

御社に転職できた際は、資格取得はもちろん、これまで培ったスキルに磨きをかけて貢献していきたいと考えております。 』

残業時間を数値化すると長時間労働の事実が伝わり、転職の必要性について説得力がアップします。また、そのような状況下でも目標に向かって行動してきた様子は、転職希望者様の高評価につながるでしょう。全体的に向上心が感じられるため、面接官から良い印象を得られるはずです。

例)給与が低い

給料の低さが退職理由である場合、以下のように表現するのが良いでしょう。

『前職では営業成績が8カ月連続で社内トップを獲得しております。しかし、インセンティブ制度や昇給制度が整っていないため、そのような実績が給与に反映されにくい状況がありました。そのため、御社の実力がきちんと評価される制度や、年齢問わず昇給・昇進が目指せる環境に大変魅力を感じております。

もし御社とご縁があった際には、モチベーションを高くもち、一つひとつのチャンスを掴みながら功績を残せるよう励んでいきたいと考えております。』

前職で叶わないことが転職によって実現できる点をきちんと説明しているため、文章からは給与に対する執着心を感じず、全体的に良い印象にまとまっています。また「チャンスを掴みたい」というメッセージから転職希望者様の努力家な一面を感じられるため、面接官から高評価を得られそうです。

どのような退職理由でも、表現を変えるだけで「前向きな転職」として面接官に印象づけることができます。転職でどのような変化を遂げたいのか、応募企業で何がしたいのかを考えてみると、転職理由がきれいにまとまります。

転職理由をスムーズに応えるために事前に準備しておくべきこと

転職理由を考える際は、自身が「転職したい」と思った正直な理由を書き出すことから始めましょう。「人間関係がわずらわしい」「残業が多すぎる」「給料が少ない」「評価されない」など、この段階ではネガティブワードが含まれていても構いません。まずは思い当たることを全て洗い出すことが大切で、自身の本心を整理するために必要な工程といえます。

理由が出揃ったら、各項目に数字やエピソードを追加して具体的にしてみましょう。そうすることで、転職理由が客観的に見えるようになり、自身の仕事に対する考えやキャリアビジョンが整理されていきます。

転職理由を具体的にしたあとは、自身が転職で叶えたいことを明確にします。「年収を上げたい」「プライベートの時間を確保したい」「営業スキルを高めたい」など、先ほどと同様に思い当たることを書き出したうえで、詳細をつめていきます。

第三者に転職理由を聞いてもらう

転職理由が文章化できたら、その内容を第三者に聞いてもらいましょう。JACのコンサルタントなど、プロに聞いてもらうことで転職理由が「自己都合な内容になっていないか」を確認できます。また、不明確な部分はないか、共感がもてる内容になっているか、聞き終わったあとの印象など詳細にチェックしてもらい、ブラッシュアップしていくのが賢明です。

転職面接力を鍛える練習方法を解説

面接の際に退職理由を聞かれて困らないようにするには?


「退職理由」は自身の不満が込められたネガティブなイメージがありますが、表現方法を変えるだけで前向きな転職を感じさせるアピールポイントになります。面接官から好印象を獲得するためには、その場で考えるのではなく、あらかじめ要点を絞って考えておくことが大切です。

もし、退職理由をポジティブに言い換えるのが難しい、応募企業と関連づける良い言葉が見つからないという場合は、転職エージェントに相談することでポイントを教えてもらえる可能性があります。なかでも「JAC Recruitment」であれば、各業界に精通した専任コンサルタントが自身の思いを丁寧にヒアリングしてくれるため、退職理由に紐づく自己分析を徹底的にサポートしてくれるでしょう。

面接で聞かれる退職理由を良い印象につなげるためにも、まずは「JAC Recruitment」へ登録して無料相談からスタートしてみませんか。


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