転職時のオンライン面接(Web面接)マナーを徹底解説


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オンライン面接(Web面接)とは、自分のパソコンやスマートフォンを使い、ネットを経由して企業の面接担当者と面接することを指します。企業から指定された面接用URLへアクセスすることで、面接をスタートできるなど、スピーディで手軽に面接を行うことができる点がポイントです。

オンライン面接と対面の面接の大きな違いは、距離が離れていてもパソコンやスマートフォンなどのデバイスを利用して、画面越しにコミュニケーションが行えることにあります。求職者側としては交通費をかけて企業まで出向く必要もありませんし、企業側としても会場を確保しなくて済むなど、オンライン面接は双方にとってメリットがある面接形態と言えるでしょう。

オンライン面接は、転職希望者様・企業ともに対面の面接と比較しても大きなメリットがありますが、対面の面接とは異なる事前準備が必要です。ここでは、事前準備について解説します。

オンライン面接で最も重要とされるのが通信環境です。通信回線が不安定だと途中で音声や映像が途切れる場合もあります。
そのため、有線LANが利用できる環境であれば有線で接続、Wi-Fi環境しかない場合には、ルーターから近い場所に面接環境を設置するなど、回線を安定させることが大事です。また、スマートフォンのテザリング機能を利用すると回線が切れやすいケースもあり、できれば避けたほうがよいでしょう。

面接に使用するパソコンやスマートフォン、タブレットなどを用意する際は、突然フリーズしたり、思いがけない故障に遭遇したりする場合もあります。そのため、デバイスを2台準備しておくと安心です。電源を確保できる環境であれば、コンセントから電源供給を行い、電池切れにならないよう注意しましょう。電源が確保できない場合は、しっかり充電しておくことが必要となります。
専用のアプリを使ってオンライン面接を行う場合には、事前にアプリのインストールが必要です。使用するデバイスによっては「アプリがインストールできない」や「バージョンが異なってうまく動作しない」といったことが起こり得るため、インストールから動作確認までも併せて行っておきます。中にはIDの取得が必要なアプリ・ソフトもありますので、事前に取得しログインできるかまで確認しましょう。
また、オンライン面接ではカメラやマイク機能が必須です。使用するデバイスに機能が内蔵されているならば、事前に動作確認を行っておきましょう。もしカメラやマイク機能が無いデバイスを利用する場合、外付けのカメラ・マイクが必要となりますが、その場合は家電量販店などで事前に購入し、接続・動作確認を忘れず実施しましょう。

オンライン面接では、画面の背景に自分以外のものが極力映り込まないよう、シンプルな壁を背景にデバイスの設置場所を調整します。間取りや家具の関係で設置場所の調整が難しい場合には、カーテンを背景にするのも1つの方法です。
ただし、この場合は単一色または落ち着いたトーンのカーテンに限ります。Web会議システムによっては背景を変更できたりぼかしたりするツールもありますが、オンライン面接時には使用を避けるのが無難です。もしやむを得ず背景を使う場合は、無地で背景が白いものを選択すると良いでしょう。

オンライン面接を実施する場所は、騒音や雑音が入るような環境を避け、静かな部屋で行いましょう。基本的にオンライン面接は自宅で行うのがベストですが、同居家族がいる場合は、面接がある旨を事前に伝え、面接が行われる時間帯には極力大きな声を出さないよう、協力してもらうことも必要です。 もしやむを得ない事情で自宅以外の場所で面接を受ける場合は、カフェなどの人の出入りが激しい場所は避けるようしてください。貸し会議室や個室のあるコワーキングスペースなどを予め予約しておくと良いでしょう。

続いて、オンライン面接のマナーについても見ていきましょう。

オンライン面接であっても、対面の面接同様に身なりを整えて面接に臨む必要があります。カメラ越しに見える情報は全て企業担当者に見られていると思い、服装や髪型、メイクをきちん整えて面接を受けましょう。求められる服装は業界によって多少異なりますが、基本的には男性はビジネススーツ・ネクタイの着用、女性はスーツまたはジャケット着用で臨むようにしてみてください。 服装に関しては「上半身しか映らないのだから」と上半身だけ身なりを整える方もいるようです。しかし、カメラがずれてしまったり、思いがけず立ちあがったりする可能性もあるため、下半身にも気を遣うようにしてください。 髪型は不快感を与えないような長さやカラーにしておくこと。前髪が顔にかかると暗い印象を与えてしまうので注意しましょう。また、女性のメイクはナチュラルメイクにとどめておくのが無難です。男性の場合、業界によってはヒゲを剃っておいてください。できれば前日までに本番と同様の身なりでカメラテストを実施し、相手に自分がどのように映るのかを確認しておくと安心です。

オンライン面接中に重要な話がされたと感じた場合、その場でメモを取ってよいか悩むこともあるでしょう。このようなケースではできるだけメモを取らず、会話に集中するのがベターです。 メモを取る間、面接担当者に無駄な時間を取らせてしまうことになりますし、こまめにメモを取らないと内容を覚えられない頼りない人、という印象を与えてしまいかねません。しかし今後の流れや雇用条件や就業規則など、就業に関わる具体的な話の時には、メモを取ることも必要となるでしょう。その場合は面接担当者に確認し、合意を得てからメモを取るようにしましょう。 メモを取る場合の注意点は次のとおりです。

  • ・メモは手書きで取る
  • ・パソコンでメモを取らない
  • ・メモの内容が相手に見えても問題ないように
  • ・メモを取ることに集中しすぎて会話の内容をおろそかにしない

この中で「パソコンでメモを取らない」というのは、パソコンを使ってオンライン面接を行う場合についやってしまいがちの行動です。「相手にキーボード入力音が聞こえてしまう」や「目線がキーボードに向けられるなど、面接担当者を不快にさせてしまう」といった可能性もあるため、パソコンでメモを取ることは避けましょう。 また、画面の角度によっては書いたメモの内容が相手に見えることがあります。メモの内容が面接担当者に見えても問題ないよう、書き方には必要以上に注意を払ってみてください。

オンライン面接中は、パソコンやスマートフォンにインストールされたアプリやシステムの通知音や電話の着信音など、面接の妨げになるものはすべてオフにしましょう。スマートフォンの場合、バイブ設定であれば一見よさそうに思えますが、振動音が非常に気になりますので、設定を解除しておくのがベターです。自宅の場合、可能であれば家のインターフォンも切っておくとより安心です。

オンライン面接に臨む際には、10分前に全ての準備が整っている状態にしましょう。ネットの接続状況、パソコン・アプリの起動、音声・カメラの確認、身なりのチェックなどを行った上、慌てることなく面接に臨んでください。

転職面接時のマナーやマイナス行動を解説

オンライン面接では、画面を通じて自己アピールをすることが求められます。そのため、画面に映る自分をいかに良く見せるかがポイント。面接で好印象を与える人と印象が良くない人ではどのような点に違いがあるのか、その傾向についてまとめてみました。

・挨拶ができる
・明るくはっきりと喋れる
・面接担当者ときちんと視線を合わせながら=カメラを見ながら会話ができる
・話し方や雰囲気に自信がある
・顔の表情やリアクション(適度な相槌や身振り手振りなど)で感情を表現できる
・細かな気遣いができる(「声が大きすぎないか」「声が途切れていないか」などの確認)
・何よりも入社したいという熱意が感じられる

面接官に好印象を与えるコミュニケーションや話し方

・何を言っているか聞き取りにくい
・視線を合わせない/落ち着きがない
・自信がなさそうに喋る
・コミュニケーションが円滑に行えない
・面接環境に問題がある(部屋の状況・通信環境など)
・熱意が感じられない

好印象の人の傾向としては、しっかりと相手とコミュニケーションを取るための行動をとっていることがわかります。またオンラインならではの傾向として、面接担当者側の通信状況を気遣うといったことも、好印象を与える要因となります。

好印象を与えるためにも、特にオンライン面接では事前に練習を繰り返しておきましょう。

転職面接力を鍛える練習方法を解説

どんなに入念な準備を行っても「オンライン面接本番でうまく自分を伝えることができるのだろうか」、そんな不安は常に付きまといます。ましてや、転職のように人生のターニングポイントとなるような機会で失敗など起きてしまうようなことなら、悔やんでも悔やみきれません。

ここでは、オンライン面接で失敗しないための10のコツをそれぞれ紹介していきます。面接におけるポイントや心構えをしっかりと身に付けていきましょう。

オンライン面接を行っていると、会話中に間(タイムラグ)が生じることがあります。相手の話し始めるタイミングや終わりのタイミングがうまくつかめないことで会話がかぶってしまったり、沈黙が生じてしまったりするのはよくあることです。そのため、オンライン面接では相手会話がかぶらないよう、できるだけゆっくりと間を置いて話し始めるようにしましょう。また、自分の会話のスタート時に「お話ししてよろしいですか」、自分の会話が終了した際には「以上となります」といった具合に、始まりや終わりの合図を面接担当者に伝えることで、会話を円滑に進めることができます。

オンライン面接では、通信環境やマイク・スピーカーの精度により、対面の面接に比べて声が聞きとりにくいことがあります。そのため、できるだけ大きな声でハキハキと、ゆっくり丁寧に話すことを意識して面接に臨みましょう。また、オンライン面接では相手の反応がつかみにくく話が長くなってしまうことも。話が長くなりがちの人は、なるべく話す内容をコンパクトにまとめる訓練をしておくと、相手の理解も深まるでしょう。

オンライン面接で相槌を打ったり、ジェスチャーを行うこと自体は問題ありません。むしろ対面の面接以上に少々大げさなアクションを取った方が良いとされています。とはいえ、あまりに不自然すぎる動きを続けてしまうと、面接担当者の意識がそちらに移ってしまい、肝心の面接内容に集中できなくなってしまいますので、ほどほどにしておきましょう。

オンライン面接で難しいものの一つに「目線」があります。パソコンなどのデバイスの多くは上部にカメラが付いているため、画面に映る相手を見ながら話そうとすると自然と目線が下に向いてしまい、目をそらしているように相手に映ってしまいます。そのため相手との視線を合わせるには、話す相手の表情や反応を確認しづらくなりますが、常にカメラを見て話すことが大切です。

オンライン面接では、カメラの角度にも気を配らなければなりません。カメラ位置が上過ぎると、見上げる形で相手に上目遣いに映ります。反対に下過ぎると、相手に偉そうな印象を与えてしまいます。よって、目線と同じ高さにカメラが来るように設定すると違和感なく映ります。

画面内の顔のサイズが、気になったことはありませんか?カメラに近すぎたり遠すぎたり、といった理由で、画面内を占める顔の面積が適切でない方が多いようです。顔の面積は画面の1/3程度が良いとされているので、事前にそのようになるよう距離を確認しておきましょう。

オンライン面接では、イヤホンを付けても付けなくても面接自体に支障はありませんが、イヤホンを使用したほうが断然会話が聞き取りやすくなります。加えてマイク付きイヤホンを使用すれば、こちらの声も相手に伝わりやすくなるなど、イヤホンはオンライン面接には欠かせないアイテムのひとつとなっています。

オンライン面接に適したイヤホンですが

  • ・有線タイプ(バッテリー切れや接続不良の心配がない)
  • ・白か黒といった無難なカラー(面接担当者の意識がイヤホンに向かないように)

といったものがおすすめです。

オンライン面接で利用するデバイスですが、スマートフォンやタブレットも可能とはいえパソコンがベスト。

その理由としては、

  • ・画面が大きく見やすい
  • ・据え置きできて手ブレ等の心配がない
  • ・操作がしやすい

などが挙げられます。ただしオンライン面接で重要なのは、最初に述べたように「通信環境」です。通信環境に問題が生じなければいずれのデバイスを使用しても大きな問題はありません。

オンライン面接を成功に導くためには、ライトで顔を照らし印象をアップするのも効果的な方法です。ライトを顔に当てることで顔にかかった影を消すことができたり、表情をより明るく見せることができます。最近ではオンライン面接や撮影用に特化したリングライトも人気。価格も2,000円前後で購入可能ですので、面接突破に向けて、1つ持っておくのも良いでしょう。

対面の面接と違い、オンライン面接では提供される情報が限定されがちです。面接の中で理解できなかったものについては、曖昧なままうやむやにせずにその場で確認するようにしましょう。

オンライン面接の進行については、対面の面接の場合と大きく変わりません。とはいえ、入室や退室の仕方などオンラインと異なるものについては、ルールやマナーを守る必要があります。ここでは、入室から退室に至る過程で注意しておきたいポイントについて詳しく見ていきます。

オンライン面接では、指定されたURLからログインあまりに早くログインしようとしても、ログイン自体ができないことがあります。そのため、10分前ぐらいからスタンバイしておき、5分前ぐらいにログインをしておくのがベスト。もし企業側から何らかの指示があるようであれば(たとえば「定刻にログインするように言われた」など)、その指示に従いましょう。面接担当者が複数人いる場合には、全員が集まるまで静かに待ちましょう。

始めの挨拶に決まった言い回しがあるわけではありませんが、午前中であれば「おはようございます」、午後であれば「こんにちは」など、軽い挨拶を行った上で、「○○と申します、宜しくお願い致します。本日は面接の機会を頂戴いたしまして、誠にありがとうございます」といった、しっかりとした挨拶を行いましょう。この際、立ちあがって挨拶する必要はありませんが、はっきりと自分の名前を名乗り、誠実さをアピールするようにすると好印象を与えられます。

また、オンライン面接では挨拶を行ったあと、少し間を置いてからお辞儀をするとスマートに見えます。この際のお辞儀の角度は45度を意識しましょう。

オンライン面接では、対面の面接に比べると画面越しに表情がわかりにくく、愛想が悪く見えてしまうことがあります。面接では、常に明るい表情で振る舞うように意識しましょう。

退室する際には、「本日は、ありがとうございました」とお礼を述べ、先に退出するよう促されない限り、面接担当者が退室するまで待つようにしておきしょう。何も指示がないのに勝手に退室するのは厳禁です。

オンライン面接で行う質問や、先方からの質問に対する回答の仕方も、対面の面接で行うものと違いはありません。確認忘れがないよう、疑問に思ったことはその場でしっかり確認するようにしましょう。

転職面接でよく聞かれる20の質問一覧と回答例

オンライン面接に失敗しないよう万全を期して準備を行った場合でも、予期せぬトラブルは発生するもの。もしトラブルが発生したとしても、慌てることなく対処方法を実践していきましょう。
また、いずれの場合でも、予め先方の緊急連絡先を入手しておき、携帯電話を手元においておくと良いでしょう。

面接担当者の声が聞こえない場合には、相手側が音声をオフにしてしまっているか、自分側のデバイスのスピーカーがオフになっていないかどうか確認しましょう。こちら側で相手の声が聞こえないことを伝えた上、一度アプリまたはPCを再起動するなど試みてみるのもよいでしょう。

指定されたアプリやURLにアクセスできない場合には以下のようなケースが考えられます。

・最新版のアプリがインストールされていない

一度アプリをアンインストールして、再度最新版をインストールしてみましょう。

・面接担当者側が準備前である

時間が過ぎても面接が始まらないようであれば、面接担当者とコンタクトを取り、現在待機中である旨を伝えておきましょう。

画面が止まったりタイムラグが発生したりしてしまう場合には、通信状況が不安定である可能性が高いです。Wi-Fi環境の場合にはルーターの再起動を試みたり、有線LAN接続に切り替えるなどを行ったりすることで解決できる場合があります。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment 編集部

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