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イベントレポート:3/7 4社合同開催 未来を創る、現場を知る~成長企業4社が語る、先端技術領域で働くことについて~

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デジタルトランスフォーメーションに関する取り組みが、企業の大小問わず現在行われています。そのチャレンジとトライ&エラーの知見を他企業でも共有できるよう、JAC Digitalでは「未来を創る、現場を知る~成長企業4社が語る、先端技術領域で働くことについて~」と題したイベントを、2019年3月7日(木)に開催しました。
当分野で注目される企業4社にご登壇いただき、各社のプロダクトが目指す未来と、その為に必要な組織文化や行動指針をどのように構築しているか?について伺いました。

第一部 登壇企業と各社の取り組み

株式会社エスキュービズム
システムディレクター 池増正剛 氏
オムニチャネルシステム構築とデジタルトランスフォーメーションに注力するリテールテックのリーディングカンパニーのエスキューズム。
リテールテックの名黒子として、豊富なフレームワーク/製品群と導入実績を持つ同社は、各小売店舗が求める「デジタルトランスフォーメーションによって提供する新たな購買体験」づくりに対して、保有するオムニチャネルフレームワークと豊富な提携先の先進技術を組み合わせることで、高品質なシステム環境をスピーディーに構築することを実現していました。
VR上でのショッピングや駐車場ウェブ予約や、AIカメラによる空席把握や翻訳アプリとチャットボットの連携など、非常に多岐にわたる技術領域をカバーしているとのことでした。
株式会社ABEJA
リサーチエンジニア 中川裕太 氏
Deep Learningを活用し、多様な業界へ効率化/自動化を導入・促進を行うABEJA社が現在多くの顧客に導入しているのは、カメラと連携した来店者管理システム。
入口に設置されたカメラによる顔認証システムが、来店者の性別・年齢・新規/リピーターを判断し顧客分析に活かされています。国内で700店舗に導入し、2億人の来店者をカウント。40TB/日という膨大なデータ量を蓄積しています。
中川氏は、学生時代からテニスとロボット研究に没頭しており、『機械と人間』が融合する世界を作りたいという思いから大手SIerを経て同社に参画されたとのこと。とても特徴的だったのは、中川氏は自社を「遊び場」と称し、仕事で遊びながら新たな価値を創造していくという強い思いを伝えてくださいました。
株式会社Speee
VPoE(Vice President of Engineering) 大場光一郎氏
マーケティングインテリジェンスやデジタルトランスフォーメーション事業の拡大とともに人材育成にも注力するSpeee社からは、VPoEの大場氏にご登壇いただき、技術者を支援する環境について語っていただきました。
某出版社の技術書が全巻揃ったライブラリーでは、Slackを活用した貸し出しシステムを構築。OSSの各コミッターと提携して技術的インプットの強化にも意識的に取り組まれていました。
株式会社アイリッジ
O2O事業部 副事業部長 兼 開発推進グループ グループ長 田中 翔 氏
アイリッジ社が提供するスマホアプリ向けO2Oソリューション「popinfo(ポップインフォ)」 。「One-to-Oneでユーザーファーストな情報発信が、店舗と消費者のコミュニケーションを飛躍的に向上させる」との思想から、顧客分析からクーポン発信までをワンパッケージで行える同ソリューションは、現在400アプリ以上に導入されており、利用者数は1億3,000万ユーザーを超えています。
また田中氏は、元・国家公務員からゲーム会社を経て同社の4人目の社員として参画した異例の経歴の持ち主。同社のスタートアップ時代から現在までを支えるまさに屋台骨的な存在となっています。

第二部 パネルディスカッション

各社の取り組み紹介ののち、事前に参加者に募集した質問をもとに、パネルディスカッションが行われました。

Q. 先端技術の導入の際の判断基準はどうしているか?

「地域通貨サービスにブロックチェーン技術を取り込んでみたところ、品質・スピード面で見合わず結局既存の技術で作り直した。」(アイリッジ 田中氏)
「金融庁のセキュリティに関する要求水準がどんどん上がってきている中で、必ずしも全て新しい技術で応える必要はない」(Speee 大場氏)
といった、先端技術の必要性が要件に併せて判断される一方で、
「選択肢が目の前にあれば一番クレイジーなものを選択し、遊びに振る。過去にABEJAでは日本未参入だったSpotinstの技術を国内初で取り入れた。結果的に、自社の技術的ブランディングに繋がった。」(ABEJA 中川氏)
との意見も上がり、それぞれのゴールによって判断基準も変わることが改めて伺えました。

Q. 優秀なエンジニアの定義や評価、マインドセットはどのように行っているか?

「向学心を持ち、自身できちんとコードを書く「モノづくり志向」が大切。そういう人は世の中に多くないと思っているが、そういう人たちがでも積極的な改善意識を基にサービス改善や新プロダクト開発に取り組む。」(ABEJA中川氏)
という意見に、他のパネラーも概ね同意されていました。
加えて、
「コードを書く人、書くことが好きな人だけでは自社組織としては不十分。」(Speee 大場氏)
「自社にいるエンジニアは必ずしも『天才』でなくていい、ただしビジネスマインドを持って顧客の要望をきちんと叶えられるコンサル志向・マネジメント志向がある方が望ましい。」(エスキュービズム 池増氏)
とし、「ビジネス感覚を持ってマネジメントができる人の採用を増やしたい」という意向も見られました。
反対に、エンジニアから見たビジネスサイドの人に要求することとして、「エンジニアの言葉を理解しようとする姿勢や、そのための努力。お互いへの好奇心や、歩み寄る姿勢が大事」という意見が共通でありました。

総論

各企業とも、各々の社風やビジネス観を大切にしながらも、「積極的なチャレンジ」や「ビジネスと技術の適切で高いレベルの融合」、そして「組織力を活かす」という点において共通した価値観を持っていました。また、採用においても技術力のみが求められているわけではなく、多種多様な人材を招くことでビジネスの広がりや組織的な連携、「オープンイノベーション」を思わせる土壌づくりを行っていることも伺えました。
我々JAC Digitalでは、こうした先端技術領域企業のような多様性ある組織づくりを支援することで、デジタルトランスフォーメーションの牽引に貢献してまいります。