
「出前といえばチラシを見て注文」が常識だった2000年、サイト『出前館』が立ち上げられた。現在いる場所を入力するだけで出前可能な店舗が表示され、注文すれば店舗から直接に出前が届く。その画期的なアイディアと利便性は大きな支持を得て、今や会員は400万人以上、加盟店舗は1万店を超える巨大サイトへと成長した。日本の出前文化を大きく変えた新鮮な発想はどのような社内風土から生まれたのか。出前館を運営する夢の街創造委員会株式会社 人事総務グループマネージャーの山村涼氏に話を伺った。
― 1999年の創業以来、大切にしている精神があると伺いました。
創業者が設立時に掲げた、「あったらいいな。をカタチにする」です。私たちのような新しい企業が既に存在しているものを後追いしても仕方がありません。「こんなサービスが欲しい」という気持ちを敏感にキャッチし、この世の中にまだないサービスを創造していく。そこに、私たちの存在意義があると考えています。
みなさんからよく驚かれる『夢の街創造委員会株式会社』という社名も、「あったらいいな」が次々と実現する“夢の街”を、“委員会活動”のような自由な発想と行動力で、“創造”するという強い思いを込めて名づけられています。
― 御社のコア事業であるサイト『出前館』は、魅力的なお店が立ち並ぶ、まさに夢の街ですね。
知る人ぞ知る地元の名店から大手チェーン店まで、規模もジャンルも多様な約1万店に加盟いただいています。これまでは出前といえばチラシを見ての電話注文が当たり前で、当然、知らないお店やチラシがないお店は選択肢にあがりませんでした。しかし『出前館』へアクセスすれば、その場所へ出前できる店・メニューが表示されます。たとえ出張先でも、引っ越して来たばかりの街でも、です。ユーザーの方の選択肢は数倍に広がり、店舗にとってはチラシではコミュニケーションを取れなかった新しいお客様を獲得できる。『出前館』は、これまで出会うことのなかったユーザーとお店が出会える、夢の街なんです。
― 店舗に電話で注文した場合と、同じ速さで届くことにも驚きました。eコマースでも前例のないスピードです。
お客様にすれば、出前ですから少しでも早く届いてほしいですよね。試行錯誤を繰り返した結果、サイトに届いた注文を私たちが各店舗にファックスで送り、電話で確認する方法にたどりつきました。非常にアナログですが、これがミスも起こらず一番確実。それに店舗側にストレスがかかりません。インターネットというだけで「あかん、あかん」と苦手意識を感じていたオーナーさん達もいましたが、「電話とファックスがあればいい? なんや、うちの出前と一緒やな」と加入店が増えて、サービスの質とスピードが格段に上がりました。
― ネットスーパーの導入など豊かな発想力でビジネスを進めていらっしゃいますが、今後の展望はいかがでしょうか。
大きくは3つあります。①新規チャネルの開発、②サービスエリアの拡充、③海外進出 です。スマートフォン専用アプリの開発やWiiとの連動、地方拠点の新設など、チャネルとエリアの開拓にはこれまでも積極的に取り組んできましたが、今後はさらに力を入れていきます。その中でも海外展開は大きな挑戦です。実は今、その第一弾として北京進出の準備を進めているんですよ。誰も目をつけなかった分野に手をつけて、他の企業ではできないことを成し遂げていく。創業時からの当社の精神を十分に発揮して、あらたな“夢の街”を次々と実現したいと思っています。
― 「あったらいいな」をカタチにし続けるためには、何が必要だとお考えでしょうか。
やはり各個人の発想力です。ゼロからイチを生み出すことは人間にしかできません。だからこそ当社は“トップダウン型”の組織ではなく“ボトムアップ型”の組織なんです。社員一人ひとりの意見を吸い上げて事業にどんどん反映する。どうすればユーザーの方に喜んでもらえるか、満足していただけるかを全員で考えています。当社の社員の8割が転職組ですから、バックグラウンドも経歴もさまざまです。色々な視点からのアイデアをぶつけ合い、サイト作りに活かしています。突然、社長が議論の輪に加わり持論を展開し、そこから一気に企画がスタートすることもあります。こんな風通しのよい環境が数々のアイディアを生みだしてきました。
― 社員の発想力を支えるために、会社として注力している点はありますか。
当社のようなインターネット企業ですと深夜まで働くイメージがあります。もちろん仕事の納期等の都合で遅くなる時もありますが、当社では定時で帰宅する社員も少なくありません。毎日精一杯働いていて遅くなるのだとしたら、問題は会社側の構造に必ずある。そう肝に銘じて改善に取りくんだ結果です。社員が疲弊してしまっては、いい仕事もいい新たな発想も出てきません。業務を離れて、自分自身がインターネットユーザーとして過ごすことも、発想力を養う時間になると思います。
― 転職を考えている方にメッセージをお願いします。
希望を抱いて転職しても、いざ組織に入ると日々の仕事に忙殺されることがあると思います。その際に当初の思いを忘れて日常に流されてしまうのではなく、一歩先、二歩先を考えるようにしてほしいですね。たとえば、視点を変えてみる。自分がやっている仕事を上司の視点で、上司の仕事を社長の視点で見てみる。今のその先を意識して見ることで、現在は成長の通過点であることが自覚でき、仕事にどう取り組めば未来につながるのかがわかってくると思います。
― 『夢の街創造委員会株式会社』で活躍できるのは、どのような人物だとお考えですか。
自分の頭で思考する力がある人、アイディアを実現できる人です。そのためには、常に自問自答しながら仕事に取り組むことが重要だと思います。どういう目的で作業をしているのか、自分の目の前にある仕事がお客さんにどう届くのか。すると「ここは力を入れるべきだ、もっとこうしたら良くなる」と気づきます。業務の改善に新規事業の立ち上げ…湧きあがったアイディアは宝物です。自分一人の胸にとどめるのではなく、「必ず実現するぞ」という強い意思をもって行動してほしいと思います。『夢の街創造委員会株式会社』では、自ら提案し、率先して行動する人には、年齢や職歴に関係なく仕事をおまかせします。成長のチャンス、力を発揮するチャンスは無限です。「あったらいいな」に目を光らせて、ぜひ一緒にカタチにしていきましょう。
| 社名 | 夢の街創造委員会株式会社 |
|---|---|
| 本社所在地 | 大阪府大阪市中央区北久宝寺町四丁目4番2号 |
| 代表者 | 代表取締役社長 葭田 徹 |
| 設立 | 1999年9月9日 |
| 資本金 | 11億735万円 |
| 事業内容 | インターネットサイト『出前館』の運営、及びそれに関わる事業 |