
日本のたばこ市場で24.4%のシェア(2010年現在)を有し、第2位であるフィリップ モリス ジャパン株式会社(PMJ )。親会社であるフィリップ モリス インターナショナル(PMI )は紙巻たばこ市場規模上位30カ国のうち13カ国でシェア第1位、9カ国でシェア第2位を獲得しています。
たばこを取り巻く規制環境が変化する中、今後どのように日本でビジネスを展開していくのか。 ディレクター コーポレート アフェアーズの井上 哲 氏にジェイ エイ シー リクルートメント代表取締役社長の松園 健がお話をお伺いしました。
フィリップ モリス ジャパン株式会社
ディレクター コーポレート アフェアーズ
井上 哲 氏
株式会社ジェイ エイ シー
リクルートメント
代表取締役社長
松園 健
井上: そしてこの産業の取り巻く環境のもう1つの側面として、「たばこ製品は、健康に影響があるものである」ということです。日本では、最近は喫煙率や消費量が減少し、受動喫煙対策や路上禁煙地域が拡大する等、喫煙環境についても厳しくなってきています。
私自身前職は他業界だったので驚いたんですが、たばこ業界における成長というのは、決してマーケットを拡大し、成人喫煙者を増やすということではないんです。責任あるたばこ会社として、健康に影響があるということをしっかりとお伝えしながら、事業を行っていくということなんです。弊社統括本部のあるスイスでは、研究開発部門があり、たばこの害の低減を目指して生物学、化学をはじめとした幅広い分野の専門家チームが、日々研究を続けています。
井上:他の消費財なら、需要と供給のバランスから物の値段は決まりますが、日本においては、たばこ事業法という法律があって、新製品を出したり、値上げをするときは、財務大臣の認可が必要となります。先ほどお話しした、たばこに関わる規制についてもそうですが、他の先進国ではもっと規制が進んでいる事例もあるので、PMJ では、それを参考にして今後たばこの税制はどうしたら望ましいのか、あるいは価格認可制度そのものについてなど、議論していく必要があると考えています。今後どういう形でビジネスモデルとして確立できるか、先取りして提案していくことが重要だと思います。
松園:すごく大きな話ですね。井上さんの分野、コーポレート アフェアーズという職種の醍醐味でもありますね。今後規制が厳しくなって、製品が販売できなくなるという不安はありませんか。
井上:日本でも世界でも、社会的な影響の大きな製品であるからこそ、PMI は責任ある企業として行動していかなければならないと思っています。
松園:ところで、日本のたばこ市場というのは、世界ではどのような位置にあるのでしょうか。
井上:マーケットにおける消費量の観点で言えば、中国、アメリカ、ロシア、インドネシアに次いで、日本があげられます。去年の調査ですが、日本は喫煙率が23.9%ですから単純に換算すると、喫煙者が約2,500万人という統計があって、年々、縮小しているとは言え、まだ市場は大きいです。
松園:日本のたばこ市場に特徴はありますか?
井上:日本ではたばこの銘柄を一度決めるとあまり変えない成人喫煙者が多い一方で、特定の銘柄を決めないで色々試してみる方もいると言われています。その中でいかにシェアを増やすかということで、各社でもここ数年新しい製品を出していくという傾向があります。
松園:日本では随分チャネル戦略が変わってきているようですね。タスポとか、コンビニエンスストアとか。
井上:タスポをきっかけに多くの成人喫煙者の購買動向が変わって、自動販売機からカウンター販売を中心とするコンビニエンスストアなどに大きくシフトしました。この5年ぐらいで、市場構造も変わる大きな変化と言われたタスポによる成人喫煙者の購買動向の変化や、民主党の政権交代後に行われた1パック70円という世界で見てもまれに見る大増税、そして3月11日の東日本大震災によるたばこの供給不足など、さまざまな出来事が起きました。市場構造が変化して、増税があって、震災があって…まさに新しいパラダイムですね。事業環境もこれまで以上に変化し始めていると思います。