欧州、米国、新興国、日本の経済動向と転職マーケットの2012年を一挙展望(2012/1)
2012年、グローバル経済と日本経済はどのように動き、国内の採用マーケットにはどのような影響がでてくるのでしょうか。グローバルと日本という二つの視点で現在の経済動向を踏まえ、2012年を展望します。(2012/1/16作成)
<<欧州>>
欧州では、2011年から継続している南欧諸国の国債の危機(ソブリン危機)が続くでしょう。
現在のところ、雇用への悪影響は、南欧や英国などに限られていますが、欧州ソブリン危機の展開次第により、欧州にとどまらず、世界景気が悪化する恐れがあります。
<<米国>>
2011年夏は国債発行枠の件が議会で否決されそうになり、あわやという展開になりましたが、その後、経済も雇用も比較的堅調に展開してきました。
世界経済にとっては良い展開が続いています。
<<新興国>>
成長率が2011年に低下したものの、2012年も世界の中ではもっとも成長を牽引していくでしょう。
それにより、市場や産業の新興国へのシフトは世界的に続くでしょう。
国ごとに状況を見ていきますと、快調が続くインドネシア、洪水から回復が進むタイが特に期待されます。
また、シンガポールは、金融危機の影響を受け、経済が弱含みで、しかも昨年の制度改正で海外からの移民の入国が厳しくなりましたが、それでも働く先としての人気が続くでしょう。
≪景気≫
この冬、低迷気味の日本経済は少しずつ回復の兆しも見せています。11月の景気動向指数は前月比-1.1の90.3と低下し、一進一退の展開です。
12月の景気ウォッチャー調査の結果は、雇用の現状判断DI(54.9(+1.9))、先行判断DI(50.6(+0.1))ともに、5ヶ月ぶりに数値が上昇しました。
今のところは堅調に推移しておりますが、今後の世界景気の異変に注意したいところです。
個別の産業では、環境技術、エネルギー技術などの開発は長期的に継続が続くでしょう。それらの中で、高機能素材の需要も継続するでしょう。
また、新興国シフトと円高を背景に、企業の海外展開は引き続き進むでしょう。
一から立ち上げるグリーンフィールド投資も、M&Aも進んでいくと思われます。
また、いわゆる「内需型産業」の進出も続きます。
≪採用マーケット≫
そのような中、一般の採用市場に関しては、有効求人倍率が0.69(11月)と+0.02と改善しました。
求人広告掲載件数(求人サイト)については前年同月比+5.9%と増加は続いているものの、ペースは鈍化しています。
採用マーケットに関しては、必要な人は採用する、という堅実なピンポイント需要をベースにしながら、個別企業や部署の業績や戦略に応じて、必要なところではピンポイント以外の採用も進むといった展開が続くと思われます。
いずれにせよ、一喜一憂することなく、ご自身と個別求人のペースで、しっかり進めていくことが大切な一年になるでしょう。
◆筆者 黒澤 敏浩(くろざわ・としひろ)
ジェイ エイ シー リクルートメント フェロー。グローバル転職マーケット分析の第一人者。同社における豊富なコンサルティング現場の声と、データに基づいた分かりやすいアドバイスには定評がある。同社においてコンサルタントの後、人事・事業企画などを担当し、現職。早稲田大学トランスナショナルHRM研究所招聘研究員。中小企業診断士。日本証券アナリスト協会検定会員。CCE,Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー。日経経済知力テスト(NIKKEI TEST)で全国1位の記録を持つ。東京大学卒。
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