株式会社トリドール [インタビュー]
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採用企業インタビュー“トリドール大学”でグローバル経営人材を育成 代表取締役 長澤 秀夫 氏

うどん店のチェーン展開により国内最大手として圧倒的な地位を確立している「丸亀製麺」を運営するトリドール。一方で、近年積極的な海外展開によって多くのメディアを賑わしている“グローバル企業”でもあります。
同社の海外展開は2011年4月、ハワイに「MARUKAME UDON Waikiki Shop」を出店したところからです。(現地法人は2010年に設立)その後、タイ、中国、韓国、香港、ロシアと次々に出店。2014年4月時点で10ヶ国に進出しておられます。
今後も継続的な経済成長が見込まれる新興国での事業を益々積極化する同社の人材戦略について、人事部長の長澤秀夫氏(=写真)にお聞きしました。

長澤秀夫氏

─ それにしても急速なペースで海外出店を進めておられますね?

社内的にはまだ「マーケティング期間」という位置付けです。これから本格的な海外事業計画を作ることになりますが、将来的には国内と海外の店舗数は逆転するでしょうから、そこに向けては人材確保を行なわなければなりません。
新卒採用では今年2期生を迎え入れましたが、1期生、2期生とも全体の3~4割は、語学もできて海外志向をもった人たちです。
それまで当社には海外志向をもった人材はほとんどいませんでした。


― これまで進出した各国の立上げスタッフはどのようにお選びになったのですか?

ハワイ店舗写真

一番最初にハワイの立上げをやった時には、社員総会で社長が「海外に行きたい人」と訊いて、挙手をした人に行ってもらいました(笑)。実際にはサポートできる人と一緒に計4人を派遣しました。まだ「マーケティング期間」だと表現したように、人材配置も様々なパターンを試してきましたが、最近ではできるだけ一人で行ってもらって全てを立ち上げてもらうようにしています。
韓国では20代の社員が非常にうまく立ち上げてくれました。彼は既に現地人の幹部を育成して非常にうまい経営を行なっています。人事部でもコンピテンシー分析を行なうなど、彼には注目しています。

また、並行して中途採用でも海外志向をもった方の採用を行なっています。外食産業出身の人でも半年くらい、異業種の方は最低でも1年間日本の店舗で経験を積んでもらってから海外に派遣します。基本的な考え方は、複数店舗のマネジメントができるようにならなければ海外には赴任させないということです。
一方、台湾では現地で採用した人材が社長を務めています。現地で広い人脈をもっており、現地での各種折衝ごとや店舗の物件選定などで抜群の手腕を発揮しています。店舗の運営は日本から赴任している社員がしっかりとマネジメントを行ない、売上も順調に伸びています。

― これから更に海外での出店ペースが増えていくようですが、それに対する人事の打ち手はどのように進めておられるのですか?

オーストラリア・シドニー店舗写真

まず、社内で英語ができて海外志向をもった人材を10数人リストアップし、これから特別トレーニングをスタートします。4月に開校した「トリドール大学」内に、「海外人材育成パッケージ」という2か月間のコースを設けて集中的にトレーニングするのです。
ここでは店舗のオペレーションは勿論、現地での商品開発手法やキッチンの動線設計、不動産関連の知識に人事や経営分析のやり方まで、おおよそ“経営”に関する全般を幅広く学んでもらいます。このコースの修了生が、いわゆる海外事業の「プール人材」ということになります。
彼らはいずれ、海外現地法人の立上げ、店舗開設から多店舗化、といった赴任先でのキャリアパスを歩んでいくことになります。 海外では、彼らがその手腕を発揮できるようしっかりと権限を委譲します。
特に現地人材を確保する際に提示する給与条件なども、本人の判断で決めさせています。最初はよいスタッフがいなければ現地での事業をスタートすることができませんから、多少人件費の負担が増える場合がありますが、2店舗目、3店舗目と増やしていくなかで徐々に適正な人件費へと調節していく、そこもその人の裁量です。そしてそこには社長がダイレクトに関与しますから社としての意思決定も非常に速く、スピード経営が成り立っています。

また、海外に赴任している社員には常に“引き抜き”のリスクにさらされていることには留意しておく必要があります。実際に引き抜かれたりした事例はありませんが、帰任先も含めて、彼らにとっての魅力的なキャリアパスは常に考えておかなければなりません。

― 今後さらに海外展開が拡大していくにつれて、国内で必要になる人材はどんな人材ですか?

各国ごとにある程度現地化が進んだとしても、やはり海外向けの商品開発機能はなくなることがありません。ここは更に増員が必要です。また、会計や人事など、間接部門にも海外現法各社とのブリッジとなるような、海外事情に長けた人材が必要になりますので、現在育成中です。

― これから貴社の海外事業を担う人材に対し、「かくあるべし」というような理想像は描いておられますか?

特別なものはありません。「ひとりでも多くのお客様にいつまでも愛され続ける地域一番の店を作る」という当社の理念はどこの国に行っても変わることはありません。海外で現地人材の育成を行なう際も、これがスタート地点となる、まさに我々のアイデンティティと言ってよいでしょう。

インタビュアーのつぶやき・・・

インタビュー

全体を通して、「計画性と迅速さ」、「育成と採用」、「こだわりと柔軟性」など “バランスのよい経営”を行なっておられる様子が伝わってきました。
特に印象に残ったのは、「トリドール大学」をはじめ、極めて計画的、体系的な海外事業要員の育成を中長期的視座で行なっている一方、経営トップが現場と近い距離で迅速な意思決定を行なっているということです。
また、時間をかけて新卒や若手を育成しながら、ポイントとなる本社のキーパーソンを中途採用で確保している点も見逃せません。

業種に関わらず、オーナー社長が海外事業にかかりきりになってしまった結果、国内事業に支障をきたすようなケースをよく目にしますが、同社の場合は前もって国内事業の幹部陣の採用によって経営体制の充実を図った上で、海外事業を社長のハンズオン領域としているところはお見事と言うほかありません。

今後は、海外店舗を更に増やしながら進出先各国で現地化を進めていくご予定ですが、現地化が進めば進むほど国内(本社)の「グローバル化対応」を進めなければならないという適切な予測のもと、既に海外とのブリッジとなるような海外事情の解る人材の確保・育成に着手しておられる点もセオリー通りと言えるでしょう。
取材にご協力いただいた長澤氏が、懇切に解り易く、またテンポよくご説明下さったおかげで、密度の濃い時間を過ごさせていただきました。

※このインタビュー記事は、「Global Biz journal 6月号」(新建新聞社発行・アジアフードビジネス協会提携誌)に当社が寄稿したものに、一部加筆して作成しました。

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