グローバル採用に関する調査報告書
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グローバル採用に関する調査報告書

東南アジアにおける日系企業の人事課題
   ~ 海外事業に伴う人材確保を円滑に行っていただくために ~ [概括]  (2014年11月発行)

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2013年の日本企業による海外投資は、円高の波に乗って次々と行なわれたM&Aや、自動車産業の海外生産拡大などの影響で、過去最高額に膨れ上がりました。
これまで最大の投資先であった中国への投資は大幅に低下したものの、それに代わる東南アジアへの新規投資は前年比2倍以上に伸びています。
東南アジア各国の経済成長は概ね鈍化傾向にあるものの、製造業の海外生産拡大の流れは今後も継続する見通しで、また個人消費の拡大を狙った販売拠点新設や小売業各社の進出も当分は続くものと思われます。

国内の中途人材採用市場は、アベノミクスの影響による日系企業各社の投資意欲回復もあり活況が続いていますが、当社に寄せられる求人申込みの中でも、海外事業要員、グローバル化対応要員としての即戦力人材の求人・成約は特に伸びています。
一方、東南アジア各国のJAC Recruitmentに対する日系企業現地子会社からの求人申込みも依然として拡大基調にあり、各国における日系企業各社の事業意欲・成長意欲の高さが感じられます。

しかし、事業の成功や発展に欠かせない「人材確保」の面で、日系企業は様々な問題に見舞われています。
新興国における原材料や人件費のコストが上昇する中で、付加価値や生産性を高めるために一層マネジメントの強化が求められる一方、各国で攻勢を強める欧米系多国籍企業や技術力の向上によって競争力を高めるアジア企業との人材獲得競争は益々熾烈を極めています。
また国によっては労働争議やコンプライアンスのリスクも依然として高く、“ヒト”に対する多種多様な課題感は解消されることがないと言っても過言ではないでしょう。

各国において、「人材確保(即ち人材の採用・育成・リテンション)」を行なう際に留意するべきことは何なのか、日系各社の課題感や対策指針にはどのような傾向があるのかを、東南アジア5カ国の比較によって掘り下げたこの調査結果を、東南アジアにおける皆さまの事業発展の一助としていただければ、この上なく幸いに存じます。



1.回答企業について

◆5カ国295社(シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナム / すべて日系企業)

◆日本人駐在員の”人事経験“者は全体の12%
駐在員の中に「人事経験者がいる」と回答した企業において、それ以外の企業に比べて「人事課題をより多面的に把握している」、「育成・離職問題に対してより多様な施策を講じている」という傾向

◆設立時期が早い現地法人ほど、より高位に現地人材を登用
幹部人材確保は「育成と採用(=Make & Buy)」の両面から進めることが有効

2.人事面(全般)について

<ポイント>
◆課題は「マネジメントクラスの育成」がトップ、 次いで「スタッフの人件費」、“プラス1”で各国間に差異
◆進出時期が遅いほど「採用」に苦戦  進出時期が早い現地法人では「人件費が高騰」に課題感
◆国によっては「職場ルールが徹底できない」という課題も

■人事面の課題

グラフ:人事面の課題


■“プラス1”の課題で国別の差異


シンガポール
「マネジメントクラス以上の人経費が上昇」が課題順位2位
回答企業の47%が地域統括拠点であることから、よりスキルの高い管理職を確保する必要があることが一因と考えられる。

マレーシア
「スタッフ・ワーカーの離職が多い」「採用がうまくいかない」が課題順位2位
外資多国籍企業との採用競争が比較的激しいことや、宗教や国籍によって人材タイプが異なる点が選考を難しくしていることなどが要因であると考えられる。

タイ
「スタッフ・ワーカーの育成がうまく進まない」が課題順位2位
製造業において、生産コストの上昇に見合ったスキルや意識を培うことに課題感があると考えられる。

インドネシア
「スタッフ・ワーカーの人件費が上昇」が課題順位2位
くわえて「労働争議への対応に苦労」と 「就業規則・職場ルールが徹底」できない」が域内で最も多い。

ベトナム
「マネジメントクラスの育成が進まない」が課題順位2位

3.採用に関する問題点と取組み

<ポイント>
◆求められる能力は“日本語力”にあらず  真に高いスキルや経験値を求めて人材獲得競争が続く
◆今後は 「IT/ソフトウェア」、「小売/飲食/サービス」業界で採用が増加の兆し
◆マネジメントクラスの採用では「日系人材紹介会社」が主流  信頼性が高いのは「社員/知人の紹介」による採用

■業種別 「採用に課題がある職位」

製造業で、特に「マネジメントクラスの採用」に課題感 / IT、小売/外食/サービスでは「順調だがもっと採用したい」

表:業種別 「採用に課題がある職位」




■国別 「人材確保が困難な職位・職種」

インドネシアでは営業系管理職、タイでは技術系人材 / もはや“日本語力”ではない、真のスキルが求められている

表:国別 「人材確保が困難な職位・職種」


4.育成に関する問題点と取組み

<ポイント>
◆「職務能力、マネジメント力育成」によって新たなマネージャーを創出することが最大の課題
◆育成手段はほぼOJTに依存  育成が進まない原因は「教える人がいない」こと
◆現地人幹部の登用状況や駐在員の多寡にも相関せず
 (“教えることができる人”の確保が事業拡大や環境適応へのカギ?)

■人材育成に関する取組と、「効果が出ているもの」

グラフ:人材育成に関する取組と、「効果が出ているもの」



5.従業員の離職問題

<ポイント>
◆マレーシアでは「スタッフクラスの離職」、タイ、インドネシアでは 「マネジメントクラスの離職」を課題と感じる企業が多い
◆「入社間もない人材の離職が多い」とする企業に比べ、「中堅」、「ベテラン」では「離職が多い」とする企業割合が低下する
◆離職防止策は主に条件面で今後の打ち手としては「教育研修プログラムの充実」が最多

■離職防止のための取組み 「今」と「今後」

グラフ:離職防止のための取組み 「今」と「今後」



総括

日系企業の海外事業展開、とりわけ東南アジアへの展開は拡大し続けています。
JETROの対外投資額データ(※①)によると、今回の調査対象であるアセアン5カ国への直接投資額合計は2004年から2013年までの10年間で8倍近く増加しています。
また、製造業各社の中期経営計画から国際協力銀行が予測(※②)したところによると、海外生産比率、海外販売比率とも、依然として右肩上がりを続ける模様です。
「人材確保」が、日本企業の海外事業展開に対する重大な課題であることに異論の余地はありませんが、本調査から判ることはその課題が益々複雑化しているということです。
現地消費市場の急拡大による商機拡大と競争激化、また人件費や原材料費の高騰やそれに伴うサプライチェーンやバリューチェーンの見直しなど、事業課題が益々複雑化することに従って、マネジメントやオペレーションの高度化を行なう上で、「人材確保」即ち人材の採用、育成、リテンションの課題感はなくなることがないと言っても過言ではないでしょう。
今回の調査では、多くの企業が人材育成、中でもマネジメント人材の創出に課題感をもっている一方、その手立てに窮しているということが改めて判りました。
また、国や会社によっては「離職問題」が深刻な問題であるにも関わらず、充分な対策を講じることができていないことも多いようです。

それらを含めて、
 ・客観的で公正な目線で、人事面の課題を正確に偏りなく把握する。
 ・人材採用市場や給与相場の状況を正確に把握し、適切なチャネルを用いながら、時に自身や従業員の人脈を駆使して
  必要な人材を採用する。
 ・従業員の納得性やモチベーションを高める人事制度を企画し、適正に運用する。
 ・本社や地域統括会社の協力を得ながら、コアとなる人材を育成する。
 ・単に「給与」だけでなく幅広い打ち手を講じて従業員にとって魅力的な職場を創る。
といった『人事力』(※筆者造語)の必要性は、尚一層求められるようになると考えられます。


※参考資料
  ① JETRO 国際収支統計「日本の国・地域別対外直接投資」(2013年)
  ②「わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告 -2013年度海外直接投資アンケート結果(第25回)」
    (2013年11月 国際協力銀行)


<調査期間>
2014年9月26日 ~ 2014年10月14日
<調査方法>
アンケート(Web回答)方式

<本調査結果に関するお問合せ>
(株)ジェイ エイ シー リクルートメント: 海外進出支援室 佐原賢治
global-recruitment@jac-recruitment.jp

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