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コネクタで世界No.1シェア
徹底的なローカライズが自動車業界での成功を呼ぶ

タイコ エレクトロニクス ジャパン合同会社

※このインタビューは2016年10月に実施しました。なお、所属・肩書は当時のものとなります。
  • JAC Recruitment

    代表取締役社長
    松園 健
  • タイコ エレクトロニクス ジャパン合同会社

    代表取締役社長
    上野 康之 氏

先の読めない市場で戦うための戦略とは

松 園: コネクタは自動車、スマートフォンなど、多岐にわたり活用される時代ですが、マーケットのニーズはどう見ていますか。

写真:上野 康之 氏

上野氏: 当社は電気電子でつなぐ全産業をカバーしていますが、中でも5年10年先が想定できる業界は、自動車と医療ぐらいではないでしょうか。自動車は「全自動運転」と、「セーフティ」というトレンドは間違いなく、エンジンからモーターになり、CO2を削減する方向です。自動車は幸いにもグローバルポジションが高い日系メーカーがお客様なので、日本でトレンドを作ることもできる。これは弊社にとってはすごく幸せなことです。

他の業界はというと、以前はハードでビジネスが成り立っていましたが、今はソフトが先で、後からハードという流れなので、誰が次のキープレーヤーになるかわからない。当社でもフレキシブルに対応できる準備をしておくために、グローバルではトランスポーテーション、インダストリアル、コミュニケーションという大きな3つの柱を立てています。トランスポーテーションでは、当社のコネクタやセンシング技術を活かして、自動車メーカーとの協力のもと、車対車の相互接続を可能にしています。また、例えば電気自動車が家に電気を供給する場合、ホームオートメーションと自動車がつながり、パワーインダストリーになる。そこで当社が自動車メーカーとの関係性で築いたものを利用できれば、お客様にとってもスタートが少し有利になると考えています。

松 園: オートモーティブでは自動運転の実用化が進み、2030年には当たり前の時代になるといわれていますね。現在ニーズの高いIoT(Internet of Things)や、AI(人工知能)を使った先進的なテクノロジーがトレンドの中で、御社の“つなぐ技術”を活かして、今後どのようにポジショニングしていく戦略ですか?

上野氏: 当社は電気電子でつなぐ全産業をカバーしていますが、中でも5年10年先が想定できる業界は、自動車と医療ぐらいではないでしょうか。自動車は「全自動運転」と、「セーフティ」というトレンドは間違いなく、エンジンからモーターになり、CO2を削減する方向です。自動車は幸いにもグローバルポジションが高い日系メーカーがお客様なので、日本でトレンドを作ることもできる。これは弊社にとってはすごく幸せなことです。

松 園: エンドユーザーとの接点が非常に強いため、ニーズを把握し、臨機応変に体制を作れるのですね。また御社のグローバルはM&A戦略にも長けていらっしゃるので、必要な技術はM&Aなどして増強もできる。さらにシリコンバレーなどの最先端技術の集まる場所にも常にアンテナを張って、次代への布石を打つと。

上野氏: はい。それにしても、今の時代は先が読みにくい。だから従業員一人ひとりが、そういったことも考えていく力が必要とされていると思います。

松 園: 先の読めない時代でも、先を見越して備えることは大切ですね。数年前には、全世界が未曾有の経済不況に陥ったリーマンショックなどもありましたが、その影響により、ドラスティックな改革を実行せざるを得ないこともあったと思います。そういった際にネガティブな捉え方をされてしまったり、対外的に良くない噂が流れたりすることもありますが、それについてはどのようにお考えですか。

上野氏: そうですね。リーマンショックに限らず、必要に迫られて大きく舵を切ることを求められながらも、ぎりぎりまで頑張った結果、事業ごと売却されてしまった企業も数多く見てきました。弊社がこれまで、そういったことにならなかったのは、会社がきちんと存続して次のステップを踏めるように、早目に手を打つことができたからだと思います。弊社がマーケットや株主の方に認められているのも、「早く手を打つ」という部分でもあると思っています。ただ、そのことがネガティブに捉えられたり、不安に思われることがないよう、会社としても努力していきます。

ダイバーシティはビジネスに直結する

写真:上野 康之 氏

松 園: 日々変化するマーケットの中で、活躍し続ける人材の担保や育成も重要な課題だと思います。現在、御社で取り組んでいることはありますか?

上野氏: 今は「個人の能力を解放させる」ということに取り組んでいます。当社のテーマのひとつが「I&D(Inclusion & Diversity)」ということで、まずは個々の違いや多様性を受け入れる。その上で、一人ひとりの可能性をもっと開花させるためには何をすべきか、従業員と一緒に取り組んでいるところです。(Imagine & Unleash)

松 園: 社員の方たちが最大限のパフォーマンスを発揮でき、生産性を上げられるように取り組んでいるのですね。先が読めない時代だからこそ、個々の力が重要となりますね。

上野氏: 日本エー・エム・ピー時代の当社は、圧倒的な技術力やシェアの高さを背景として、社内外問わず、大きな努力をしなくても通用していた部分が少なからずありました。そんな時に、AMP Inc.とTyco International Ltd.との合併があり、タイコグループの一員となった時には、「こんなに大きな会社でも買収されるんだ」と、まさに晴天の霹靂でした。そのことによって変化を見通す意識が強くなり、社員を育てることの重要さや、ダイバーシティ、他国をリスペクトする考え方などがさらに強まりました。TEのタイは日本の管轄ですが、タイ工場の設立時には8カ国の人たちと一緒になって立ち上げました。国が違えば仕事のスタイルも考え方も異なりますが、他国をリスペクトして、期待する部分やコラボレーションできるところを探していくことが大切です。

松 園: ダイバーシティが浸透していますね。女性のマネジメント層は増えていますか。

上野氏: TEのグローバル全体で、女性をもっと登用しようという流れがあり、アメリカ、ドイツ、日本、インド、中国5カ国を中心に、女性が自分たちで動く「ウーマン イン ネットワーク」というプロジェクトを進めています。 2年半前、女性従業員を集めて女性の今後について話をしました。家庭とのバランスを取りながら仕事をしている人にとっては、「自分の仕事を粛々とやっているのに、気を遣われるのは余計なお世話」と思う人も結構いるのでは?という危惧があったので、率直に話をしました。そこで年代問わず「次のステップに行きたい」という声も聞けるなど、改めて気づきがありました。現在は他の企業の女性たちと、月に1回程度、交流会の場を設けています。また、特にCSRを含めたブランディングの部分でも、女性のアイデアを活かしてリードしてもらっています。

松 園: 女性の登用も、日本がグローバルの中心国のひとつなんですね。

今後を見据えて、成長を続けるTEが必要とする人物像とは

松 園: では、御社が求める人物像を教えてください。

上野 康之 氏/松園 健

上野氏: 中途採用では、ある程度の専門スキルが求められます。当社は学閥もまったくありませんし、実力、成果主義。ショートタームとロングターム、両方のバランスを取りながら仕事ができて、フレキシブルでイノベーティブな人に、仲間になっていただけたらと思います。
マネジメント層では、戦略が立てられて、基本的には素直な人。私を含めて、マネジメントも成長して変わっていく必要があると思っているので、一緒に成長していける人がいいですね。グローバルの中で日本人がマネージしていくことは、まだまだ難しいですが、グローバルの視点に立ったマネジメント層の中で、物怖じせずに英語で海外の社員たちとコミュニケーションが取れることが求められます。英語力よりも、自分の意思を相手に伝えられることが大切。私自身も英語力はそこまで高くはないですが、伝わっていると思うし、ネゴシエーションもできます。

また、ロジカルであることと、日本人ならではのファジーな面をもっている人。例えば外資系企業で働いたことがある人や、海外で学んだ経験をもつ人は、ロジカルで、アカデミックな部分も知っていますが、日本では比較的すり合わせで仕事をしてきた方が多いので、最終的に人の評価をする時にもグレーでファジーな部分があります。例えばラインを振り分ける時など、次のリソースは何が必要で、人をどう配置するかなど、ロジカルに次のステップを考えていけるかどうかが大事。その上で、日本人ならではのファジーな部分があっても許されますが、逆にアメリカ人のように、スパッとやりすぎるとうまくいかないこともあります。かといって、ロジックを持たずにファジーなだけでは、グローバル人材としては難しいでしょう。
エグゼクティブクラスになると、ロジカルとファジーの両方を兼ね備え、時にはお客様と飲みに行ったり、休日も一緒に遊ぶということがリレーションを保つひとつの方法だと考えられる人も多くいます。

松 園: 当社もエグゼクティブの方を企業にご紹介する機会が多いのですが、そういった方がしっくりきますね。日系企業ならではの、職務の境界があいまいで、ポテンシャル採用や、お互いに助け合いながら仕事をするようなファジーな仕事の仕方と、外資系企業ならではの、職務や権限がはっきり決まったロジカルな仕事の仕方の両方を知っている方は、バランス感覚がいいですね。

上野氏: その両方を兼ね備えた方なら、安心して次世代を託せますね。もちろん社内でも育てていきますが、良い方であれば迎え入れる用意はあります。私たちと一緒に切磋琢磨しながら、会社をより良くしていける方をお待ちしています。

インタビューを終えて
株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント 代表取締役社長 松園 健名だたる日本メーカーの事業売却が伝えられる中、タイコ エレクトロニクス ジャパンは日本企業を相手に成功を収めている外資系企業の1社。マーケットリーダーとして、グローバルスタンダードを推進する強い姿勢を持ちながら、必要なところはローカルを信頼して任せる姿勢があり、そして日本や各国のキーとなる企業とのパイプ作りを欠かさず、エンドユーザーと一体になった製品作りが成功の秘訣でした。
今回、お会いしてすぐに社長の上野氏から当社(JAC)の事業モデルについてインタビューをされたことも印象深く、日本のトップ自ら、常に好奇心と向上心を持ち続ける姿勢に、会社の真摯な姿勢が見えてきました。日本に根付いた稀有な外資系企業であり、新しいフィールドを求める方には将来への手ごたえを感じられる会社だという確信を得ました。
JAC Recruitment 代表取締役社長 松園 健

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