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“アフターサービス” が
画像診断業界の未来を変える

シーメンスヘルスケア株式会社

  • 取締役

    カスタマーサービス事業本部長
    金原 修 氏

2015年10月にシーメンス社から分社化した新生シーメンスヘルスケア。その成長のカギを握るサービス部門を統括するカスタマーサービス事業本部長の金原修氏に、未来に向けた改革や、いま必要な人材などをお伺いしました。 

医療機器業界におけるカスタマーサービスの重要性

写真:金原 修 氏
取締役
カスタマーサービス事業本部長
金原 修 氏

まず、医療機器業界の概況をお聞かせください。特にこの10年、サービス分野の需要が広がっている印象がありますが、いかがでしょう。

今は医療分野だけではなく、様々な業界の流れとして、アフターサービスによって利益を生むというのが大きなビジネスモデルになっていると思います。サービスの需要が広がっているのは間違いありません。中でも医療機器業界では、これからは装置を直すだけではないサービスの多様性、プラスアルファが求められます。

例をあげると、磁気共鳴装置(MRI)の価格は20年前と比べ6分の1程度の価格になりました。一方で、我々の開発コストは以前と同様にかかるので、装置を売るだけでは利益が少ない状況です。そこで保守契約を結ぶことによって利益を生み、それを開発にフィードバックするという方法で開発コストを確保しています。サービス形態は時間単位から年間保守契約、複数年契約もあります。またメンテナンス込みのリースという方法もあり、長いスパンでランニングコストを考える時代です。

モダリティ(医用画像機器)は3,000億円ほどの市場ですが、当社を含めた医療機器大手5社でその市場を取り合っている状況です。そんな中で、お客様へのアフターサービスの評価が、次の購買を左右します。当社では、セールスが販売した後のサービスはすべて我々カスタマーサービスが担当しているので、その評価が高ければ、次回もシーメンスの製品を購入していただける。その好循環は、シーメンスが120年以上もの間、日本でビジネスを展開し続けている理由のひとつでもあります。

以前のインタビューで、森社長が今後は医療機器だけではなく新しい事業展開をするとおっしゃっていましたが、分社化を経て、サービス部門の組織構成は変わりましたか?新展開があれば、教えてください。

シーメンスのグローバルの戦略により、2015年10月からヘルスケア部門が独立しました。それまでのサービス部門では、カスタマーサービスはひとつの大きな柱で、モダリティのサービスに特化していました。しかし将来を考えたら変えなければならない。そこで、サービス開始にあたって大きな括りの「Services」という事業を立ち上げました。ひとつはカスタマーサービスを含む実働部隊。もうひとつはソリューション部隊です。
ソリューション部隊では、IT戦略を進めるES(エンタープライズサービス)や、病院をまとめて管理するIoT(Internet of Things)、遠隔的に画像を蓄えるDS(デジタルサービス)など、新しい事業に取り組みます。もうひとつはコンサルティング部門。大きな構想としては病院自体を経営することも視野にいれており、将来を見据えた事業構成になっています。これは他社に先んじた取り組みだと思います。

一歩先をいくシーメンスヘルスケアのカスタマーサービス部門

次なる攻めの領域として、IoTやコンサルティングを考えているということですね。ところで競合他社と比較した御社のサービス部門の強みを教えてください。

金原 修 氏

当社は20年ほど前にコールセンターをいち早く立ち上げて、お客様からのサービスコールの一元管理を始めました。20年分のノウハウもあり、対応能力も高い。これは我々の強みです。そしてさらに、サービスの質と効率を上げる改革を進めています。

例えば、コールセンターでは、混み合ってなかなか電話が取れないケースもあります。そこで、これまでの20年近くのデータを解析して、シフトを組み替えました。コールが増えるのは、医療機器が始動するとき、始動点検のとき、検査数が増えたときなので、それを見越して集中する時間帯にメンバーを増員。当社はプロダクトのポートフォリオが他社よりも広く、コールセンターではすべてを扱っているので、装置によっても異なりますが、最小限の人数で最大の効果がでる工夫をしています。

以前は10%の電話を取りそこねていました。たとえば1日5,000件入電があるとすれば、10%は500件と大きい。ベンチマークとしてKPIを3%以内としてPDCAを回し、今は大体2%にまでおさえています。実は2%というのは驚異的な数字で、一般的なコールセンターでは、平均8%といったデータがあります。当社では、お客様をできる限りお待たせしない体制を整えています。

経験とデータが蓄積された御社ならではの強みですね。製品事業部ごとにサービスセンターがある企業もありますが、御社は様々な製品を、ひとつのサービス部門で担っているのが興味深いですね。

そもそも、グローバルのシーメンス自体が、様々な事業の複合体です。我々ヘルスケアも同じで、M&Aをして別会社を傘下に収めていることもあり、多様なカルチャーが混在しています。2010年から、そのカスタマーサービスをひとつに集約する「ワンヘルスケアサービス(OHS)」という活動をはじめました。元は別会社でビジネススタイルがまったく違っていても、カスタマーサービスはひとつ。難しい試みでしたが、日本で初めて成功し、今は他国にも導入されています。ITツールも、窓口も、サービスのプロセスも同じ。同じお客様のところに行ったサービス担当者は、簡単な修理であれば手伝い合う。そんな相乗効果も生まれています。営業でも同様の取り組みを進めており、今後に期待を寄せています。

ワンストップでソリューションが提供できるのは効率的で、お客様にとっても安心ですね。

カスタマーサービス部門のイノベーションで、お客様にさらなる付加価値を

ところで金原さんは、カスタマーサービス全体を改革されたとか。

私はカスタマーサービスの事業本部長になった時から、3年計画でサービスビジネスの強化に注力しました。スタッフを徹底的に教育。社内のプロセスやコールセンター、ロイヤルカスタマーサービスの方法なども見直して改革に取り組みました。お客様のところにお伺いするサービス担当者を、我々はカスタマーソリューションエンジニア(CSE)と呼んでいますが、CSEの抜き打ち監査もはじめました。CSEが訪問したお客様のところに監査員が突然訪れて、CSEの服装から社用車の清潔度、サービスなどを独自に監査するのです。もちろん、お客様には事前に了承を得て実施します。CSEの皆は戦々恐々としているようですが(笑)、すべきことが出来ているかどうかをチェックしているだけ。お客様にも評価いただき、他社との差別化になっています。

その評価のベンチマークとなるのがNPS(Net Promoter Score)という、ブランドに対する愛着・信頼の度合いを数値化する指標です。究極の質問が「シーメンスのサービスを、他の人に薦めることはできますか?」という項目ですが、この数値が3年前と比較して、約2倍に改善しました。これにはシーメンスのグローバルも「すごい」と驚いていました。

お客様の評価からも、この3年でかなり改善されたことがうかがえますね。今後はどのようなビジョンで、サービス部門をリードしていかれますか?

金原 修 氏

私たちは、「ヘルスケアのイネーブラー(※Enabler 、可能にする存在。成功の鍵という意)になろう」という目標を掲げています。今後、医療機器業界のビジネス、特にサービス分野は大きく変わります。なぜかというと、海外では、今の日本のサービスとは全く違う段階に入っているからです。日本では、自社製品は基本的には自社でアフターサービスを行いますが、アメリカや中国、韓国などではメーカーだけが自社製品のアフターサービスをすると、独占禁止法に触れるという考えのもと、メーカー主導をやめて、サービスの市場をオープンにしています。すでにアメリカなどでは、シーメンスのエンジニアが競合他社の研修を受けたりしており、またその逆もあります。サービス事業に特化した会社も新たに生まれています。

私の個人的な見解ですが、日本も将来そうなると思います。ましてTPPが発効されれば、アメリカのサービス事業が必ず日本に入ってくるでしょう。今はメーカーという大きな後ろ盾あってのCSEですが、今後はそれだけでは生き残っていけないのではと危惧しています。サービス事業会社は、我々よりも格安でサービスを提供できるからです。
そこに立ち向かうためには技術力を上げ、お客様のロイヤルティを上げることが必要です。メーカーが提供するサービスの付加価値をお客様に感じていただけないと、購入してもらえません。サービス事業会社にはコールセンターもなければ、パーツのデリバリーも直接できないので、我々ならではのメリットはたくさんあります。将来、そうなっても勝てるようなサービスをつくりたいというのが、私のビジョンです。

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