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日本のモノ作りや文化も世界約30カ国へ発信
パートワークのトップシェアを独走するデアゴスティーニ

株式会社デアゴスティーニ・ジャパン

  • 株式会社デアゴスティーニ・ジャパン
    代表取締役社長 アジア代表
    村野 一 氏

創業は1901年。創業者はイタリア・ローマに地理学研究所を創設した地理学者です。その後、地図年表やパートワーク(分冊百科)形式の出版物第1号を売り出しました。パートワークは、少しずつそろえたマガジンが最後には百科事典のように知識の集積になるような出版物です。そのパートワーク出版物においては全世界の50%以上ものシェアを占めています。事業としては出版事業を柱にゲーム、メディア、金融事業と多角化し、約30カ国以上に展開しています。

日本参入は1988年。おかげさまで累計5億4千万冊、195タイトル(2016年3月現在)を発売しています。そのうち8割が日本で企画して制作したもの。これが海外欧州を含めて導入されることもあります。バラエティ豊かな商品で趣味性も高いので、関連したものを通販などで販売し、その事業部も成長しています。また最近は、コンテンツをデジタルでも展開しています。これらを、パートワーク事業、通販事業、デジタル関連事業の3つに分けています。

世界の中では西ヨーロッパ、ロシア、日本が3大クリエイティブセンターです。パートワークの業績も良く、国別では日本が一番。だから日本は本社の期待や責任も大きいのです。アジアは以前イギリスの管轄でしたが、現在では日本がリージョナルヘッドとして管轄しています。例えば中国の香港や台湾では確固たるビジネスを築き、上海では昨年11月から日本でも大好評のロボットを組み立てるシリーズ 週刊 『ロビ』 を発売し、まさにこれから大きく攻めていくところです。

グローバルの中でも日本の存在感が強い会社なのですね。ロボットを組み立てられるパートワークとはワクワクします。他にはどんなヒット作があるのでしょう。ターゲットは、どう想定していますか。

株式会社デアゴスティーニ・ジャパン

ターゲットは商品によって全く異なります。例えば男性向けでも年齢が高い方には週刊 『戦艦大和を作る』 、若い方には週刊 『ガンダム・ファクトファイル』 など。一方週刊 『マイ・ドールズ・ハウス』 や隔週刊 『パッチワーク』 などの女性向けや、お子様に人気のシリーズもあります。
ターゲットと商品の組み合わせを考えてバランスよく選び、年間に10~15タイトルほどリリースします。広く訴求する商品もあれば、少数に深くささる商品もあります。お客様に、一度に数シリーズを揃えていただくのは大変なので、比較的、ジャンルの異なる商品を投入するようにしています。

パートワークは、気軽に始められる利点はありますが、続けるには少し根気がいります。一概には言えませんが、創刊号が100冊売れたとすると、2号目で50~60冊に減ります。3~5号ぐらいの間に定期購読を検討されて申し込まれると、最後まで購読していただけるケースが多い。書店と通販どちらでも定期購読をしていただけますが、現在は大体半々ぐらいの割合です。

なるほど、様々なターゲットをしっかり狙っていらっしゃる。書店の話が出ましたが、紙の書籍が縮小化と言われている中、今後のチャネル戦略は、どのようにお考えですか?プロモーションについても教えてください。

今はオンラインでモノが売れる時代ですが、商品を実際に手に取ってみることは非常に重要です。現場に足を運ぶことも大事だと思っているので、昨日も岡山県に行き、書店様と話をしてきました。内容は、お子様向けシリーズについて。お子様が雑誌だけではなく、作った成果物を一部だけでも触れるようにすれば、触った上で「これが欲しい」と親御さんに言えますよね。書店は欠かすことのできないチャネル。書店様も一生懸命変わろうとしており、新しい提案力が大切になっています。定期購読は、お客様の来店のきっかけをつくり、書店にもメリットがあるので見直されています。

株式会社デアゴスティーニ・ジャパン

プロモーションは商品ごとにターゲットも異なり、内容もそれぞれ違うので、商品ごとにプランを変えています。媒体はテレビCM、WEB、新聞、イベントなどを使い分けています。若い人がターゲットである場合、WEBを中心に展開します。ニッチな商品が多いので、コアなファンの方がネットで発信してくださることも多く、最近はYouTubeなどに製作過程の動画をアップしている方もいますね。例えば週刊 『昭和にっぽん鉄道ジオラマ』 というシリーズではターゲットを50代に想定していましたが、鉄道好きのお子様が組み立てるなど、家族で楽しむ様子が見られるのは嬉しいですね。

週刊 『ロビ』 に関してはイベントも行いました。好評につき、2015年に3度目の創刊をし、『ロビ』 好きな方が交流できる場を提供しては?と“ロビカフェ”というカフェを期間限定で東京にオープン。おかげさまで好評につき延長営業もしました。カフェには自分の 『ロビ』 を連れてくるお客様も多く、これから作る方にレクチャーするなど、お客さま同士の交流も生まれました。100体のロビが並んでダンスするイベント「100Robi」も好評でした。

新しい展開がどんどん生まれていますね。そんな御社の強みは豊富なデータベースとリサーチ力。そしてヒットタイトルを生み出す商品企画力だと思いますが、いかがでしょう。

そうですね。当社ではアイデアを生み出すところから、ふるいにかけて世に出すまでのプロセスが際立っていると自負しています。商品に携わるマーケティング、制作、編集はもちろん、経理や人事含めた全員が垣根を越えてアイデアを出せます。常時何万というアイデアのストックを貯めています。それが全世界に広がっているので、海外とも意見交換をすると、新しい情報が得られることもあります。
また昨年、初の取り組みとして、タイトルを社外から公募しました。3,000件ぐらい集まればいいねと話していたところ、46,541件の応募が集まり、嬉しい悲鳴でした。みんなで審査して受賞アイデアマンを決めさせていただき、今その方たちは目を輝かせながら商品企画のプロセスに参加してくださっています。我々とは違った視点で意見を言っていただけるので、本当にありがたい。同じことを長年続けているとマンネリ化する傾向もあるので、良い刺激をいただいています。2017年にはその開発プロセスを含めて、世に出せるように進めています。

出版業界の課題へ立ち向かう、デアゴスティーニの海外戦略とは

消費者の方を巻き込んだ試みなど、柔軟性の高いアイデアは、村野社長のバックグラウンドに負うところも大きいのでしょうか。少し経歴をお話しいただけますか。

株式会社デアゴスティーニ・ジャパン

私が最初に入社したのは、ソニー株式会社です。海外で販売マーケティングの組織を立ち上げる仕事がひとつの柱で、3~4年ごとにシンガポール、インドネシア、タイ、ユーゴスラビア、ドイツ、ハンガリー、サウジアラビア、メキシコなどに住み、言葉を覚えて仕事をしていました。31歳からは社長として組織運営に携わっていました。その後本社にもどり、直営店などの経営に従事。海外でのWEB戦略の推進や、全コンシューマービジネスの営業マーケティングの改革のトップも務めました。
当時は会社の成長時期でもあり、幸い商品や上司に恵まれましたが、ソニーから飛び出しても通用するだろうかと思っていたところに、お声掛けをいただいて株式会社リコーへ入社。カメラを中心としたコンシューマー事業の再構築を任されました。商品企画もやりましたが、自分たちでアイデアを出して成功させる。これに代わる楽しみはないですね。
次にデアゴスティーニ・ジャパンからお話をいただいた時、ジャンルや形式に縛られることなく、自由に商品を企画できるところに魅力を感じて入社しました。出版業界は初めてでしたが、そこは勉強。好奇心にまかせて、あちこちの人から話を聞くなどするうちに、業界についても大分わかってきました。

そんな百戦錬磨の村野社長から見た出版業界の課題は何だと思いますか。

大きく分けると2つあります。ひとつは発刊される本の4割~5割の本が返品になり、裁断されてしまうという事実。紙はリサイクルされても、エネルギー効率からすると無駄です。色々なことがミスマッチを起こしているのは確実です。
2つめは日本の出版業界は、ドメスティックな産業だということ。私は前職の経験もあり、日本で作られた良いものは海外でも受け入れられると確信しています。しかし出版業界では、一部を除いて海外に飛躍していない。日本市場だけでは小さすぎると思います。

そんな日本の状況、また世界的な出版不況も踏まえて、どのような取り組みを考えていますか。

株式会社デアゴスティーニ・ジャパン

既存の出版社様も海外展開への取り組みをしていますが、文化の違いという壁もあり、なかなかうまくいかないという話を聞きます。その点、我々のパートワークにはモノが付いてくる。モノは比較的万国共通で、雑誌がそれに付随し、その世界を深堀するという形なので、伝わりやすい。むしろ我々が出版業界をリードして海外展開を成功させなくてはいけないと思っています。日本で作ったものが、海外でもっと花開くようにしたい。

また出版から派生したロボットビジネスにも力を入れています。 『ロビ』 の活躍を受け、ロボット事業を社内事業化して強化しています。コミュニケーションロボットは、教育面でも役割を果たすなど、様々な可能性があります。海外での販売も好評なので、いまは 『ロビ』 の次世代を準備しています。
当社の海外展開については、現在は我々日本がイニシアチブをとって積極的にアジア展開をしています。中国(特に香港)、台湾での成功を足掛かりに今年はシンガポール、韓国。次はマレーシアを視野に入れています。

付録というには贅沢なプロダクトをつくっていることが、海外戦略の強みになると。御社をひとつの業態に当てはめることは難しいと思いますが、業界やコンペティターをどこに設定していますか。

我々は出版業界であるとともに、コンシューマー業界でもあると思っています。コンシューマー業界のリソースは大きくいうと、時間とお金です。我々のパートワークも、時間とお金をいただくもの。例えば週刊 『ロビ』 は全70号、週刊で届きます。毎回数十分から一時間近くの時間をかけて組み立て、加えて雑誌を読んで知識や 『ロビ』 への想いを高める。これを週刊で70号。多くの時間と10数万円のお金を投資いただいています。完成すると 『ロビ』 が「組み立ててくれてありがとう」と言うところからコミュニケーションが始まり、お客様が笑顔になる。お客様の時間とお金をいただいて、笑顔になっていただくということが、私たちの事業目的です。意外に注目されないのは“時間”。これまでの売り上げ5億4千万冊を時間に換算すると、これだけ多くのお客様の時間を獲得したことが、私たちの誇りであり、課題でもあると思います。

なるほど、視点を変えて大きな見地から考えると、改めて価値に気付くものですね。

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