検査装置で顧客の年間利益が2000万円から1億5000万円に 株式会社ユタカ

【写真】株式会社ユタカ 代表取締役 安田憲司氏
株式会社ユタカ
代表取締役
安田憲司氏
大学中退後、有限会社ユタカ鉄工所に入社。1985年代表取締役就任。1991年に商号を変更。モノ作りの町・東大阪で「工場が小さいなら、小さいことを追求すればいい」と、精密検査選別装置の開発に取り組み、今では径40マイクロメートルの球状物体を誤差0.2マイクロメートルの精度で自動選別するという、同分野で世界一の技術力を持つ企業へと同社を育て上げた。関西大学、近畿大学他で非常勤講師を勤め、講演も多数。空手は二段の実力者。

パソコンや携帯電話などの精密機器の半導体に使用される直径数百マイクロメートルの球状ハンダ。このハンダの検査装置において世界一の精度を誇るのが株式会社ユタカである。圧倒的な精緻さで他社の追随を許さず、世界の半導体メーカー、電子部品メーカーが同社の技術力を頼みとしている。同社のこれまでの軌跡と今後の展開について、代表取締役の安田憲司氏に聞いた。

検査装置で顧客の利益が年間2000万円から1億5000万円に

― 検査用機器の開発を手がけるようになった経緯をお聞かせください。

昔はねじを製造する機械を主に作っていたんですよ。販売価格は1台260万円ぐらい。今から25年ぐらい前の話です。ところが、その頃台湾に行く機会がありまして、そこで同じような機械が50万円で売っていた。日本に輸入したとしても100万円です。これはもうコストダウンでどうにかなる次元ではない、競争になったらいずれ負けるなと。そこから、次は何をしたらいいかと考えましたね。ただ、海外の機械は安いんですが品質の点ではやはり劣っていたんですね、だったら品質管理の分野が重要になってくるぞと思ったんです。

ねじ・釘というのは東大阪の磁場産業の一つなんですけど、当時不良がものすごく多かった。ステンレスの釘をつくっている会社があったんですが、年間50トンの不良を出していたんですよ。原料だけでも1トンで50万円はするのにね、それを捨てていたんです。

【写真】株式会社ユタカ 代表取締役 安田憲司氏

なんとかできないかという話をもらって、検査用の装置を作ってみた。これが上手くいきましてね。50トンあった不良が片手に乗っかるぐらいになったんです。機械を入れたその会社の利益は年間2000万円から1億5000万円になったんですよ。そこの社長さんも決算の時になってそれが判って、慌ててました(笑)
その後検査装置はよく売れたんですが、案の定というか、ねじを製造する機械の方は全く売れなくなりましたね。安い機械がどんどん入ってきて、同業も次々撤退していきました。あの時、方向転換が出来ていなかったらと思うとちょっと恐ろしいですね。

【写真】株式会社ユタカ 代表取締役 安田憲司氏

今は新しくエネルギーの分野に取り組んでいます

― 今後の展開についてお聞かせください。

当社で制作している自動車・弱電用ねじ全数検査装置については、同じような検査装置が海外でも雨後の竹の子のように出てきてますね。淘汰の進む時期でもあると思いますので、ここを生き残るための品質・精度向上の努力は欠かせません。

【写真】株式会社ユタカ 100ミクロン マイクロ球体

マイクロ球体用の検査装置はまだ真似される気はしないです。ほとんど粉みたいな球を1分間に15000個選別します。これだけ小さいと、全部静電気で吹きとんでしまうんですよ。実現するまで、大学との共同研究で10年かかりました。判別した球体は半導体の端子などに使われるんですが、今は直径40ミクロンまで判別が可能です。今後はもっと小さい領域に挑戦していきます。

もっと大きな視点でいうと、世の中の役に立つことをしたいというのが常にあるんですよ。それで今は新しくエネルギーの分野に取り組んでいます。今後、間違いなくエネルギー不足が問題になってきますから、それだけ役に立てると思っています。ものすごく可能性のあるテーマです。具体的な研究内容はまだ秘密なんですが、これが実現したらとんでもないことになりますよ(笑)

【写真】株式会社ユタカ 代表取締役 安田憲司氏

人生は自分の思った通りにはならないものです

― 最後に、求職者へのメッセージをお願いいたします。

人生は自分の思った通りにはならないものです。私も最初はこの会社継ぐ気は全くなかった。これからアメリカで一旗上げようと思っていたところに父が急に亡くなって、この会社を継ぐことになったんです。まだ若かったんで苦労もしましたけどね、今はこれでよかったと思っています。

人間は生まれたときに100万円の貯金と100万円の借金がある、という話をよくするんです。若いうちにその借金を返してしまえば、後は貯金だけになる。その貯金も利子が付くので減らない。僕の知り合いでも、若い頃に一生懸命苦労してた人らは、今それなりにいい生活してますね。50歳代にもなると見えてくるんですよね、そういうことが。なので若いうちは貧乏でも苦労してるぐらいがいいんです。

離職して就職活動をしている人は時間があるでしょうから、その時間を使って特技を身に着けるとか、いろんなことを勉強したらいいと思いますね。そうやって自分の力を蓄えていく。要はあきらめないということです。

会社概要

社名 株式会社 ユタカ
本社所在地 大阪府東大阪市新町24番12号
代表者 代表取締役:安田憲司
創業 1968年10月
設立 1991年3月
事業内容 BGA・CSP&FC外径検査装置、マイクロねじ全数検査装置、CCDカメラ搭載ねじ全数検査装置、自動車重要保安部品(ボルト類)検査装置などの開発・製造
資本金 1,000万円
売上高 2億8,000万円
従業員数 13名
ホームページ http://www.tech-yutaka.co.jp/

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