- 株式会社サンクレスト
- 代表取締役社長
- 植田実氏
- まったくの未経験から事業をスタートさせ、15年で年商3億円、20年で年商8億円の企業に成長させる。常識に捕らわれないアイデアで次々にヒット商品を考案。その明るいキャラクターが度々マスコミに取り上げられている。
東大阪にある25名の小さな会社が、快進撃を続けている。携帯グッズを中心に年間8億3000万円の売上を出す株式会社サンクレスト。携帯電話の覗き見防止フィルターに色やキャラクターを付け改良したことで、販売個数を一気に伸ばしたことを皮切りに、携帯用の液晶クリーナーやアクセサリなど次々とヒット商品を生み出している。その快進撃の裏側と、今後の展開について、同社代表取締役の植田実氏に伺った。
不景気の時期ほど、当たると大きい
― 部屋一面、ものすごい数の商品ですね。昨年からデコレーションされた携帯電話をよく見るようになりましたが、売上は伸びていると見てよいでしょうか。
お陰さまで順調に伸びています。今流行っているのが、このジュエリーシールですが、これは2年間で236万個売れました。
「Suzy's Zoo(スージーズー)」というキャラクターのものが特に売れていますね。今月の生産分はすでに完売で、来月生産分を出しているところです。不景気の時期ほど、当たると大きいんですね。
当然のことですけど、不況になるとどこも人員を整理して、広告費も減らす。そうすると新商品の数自体も減りますよね。売るものがなくなるんですよ。なので当たると大きい。売り場にその商品のコーナーが出来るんです。「メールブロック」がヒットしたのもちょうど前の不況の時期でした。厳しい状況ですけど、中小企業にとってはやっぱりチャンスなんです。
いかに流れを掴むかということなんですが、私がいつも言っているのは「流れ」というのは努力の蓄積なんです。いろんな人が「よく売れていいね」って簡単に仰るんですけど、違うんですよ。そのために社員一人ひとりが相当な努力していますからね。
― テレビ番組でも紹介されていましたが、社長ご自身も足を使って女子高生に聞き込みのリサーチをしていらっしゃいましたね。今も続けていらっしゃるのですか。
はい。月に一回はアメリカ村に行っています。やっぱりあそこが一番話を聞きやすいですね。ひっかけ橋とか、心斎橋とかにも行ったんですけど、全然ダメ。アメリカ村の三角公園があるでしょう、あそこに買い物に疲れた女の子がよく座ってるんですよ、そして携帯を出してメールしているわけです。きゃぴきゃぴしている子が多いですから、すごく話がしやすいんですね。「キモい」ともよく言われますが(笑)
― 流行のジュエリーシールもそこから生まれたわけですね。
そうです。いつものように話を聞いて回っていたら、携帯にキラキラした石を一列に貼り付けてる子がいた。聞くと近くの雑貨屋さんで買ったらしい。そして「おっちゃん、次絶対これ流行るで」と言うんです。その雑貨屋さんの社長とは知り合いだったんで早速聞いてみたら、「今売上で五本の指には入ってるよ」と。よっしゃこれやろう、と思って会社に持って帰ったら最初はみんな大反対でした。「もう遅い」と。でも私に言わせたら、当時のジュエリーシールには技術がなかったんですよ。石の並びはばらばらだし、貼ったらはがせないしね。まだ改良の余地がある。さらに、これからは「キャラクターもの」が流行るという強い思いがありまして、石を並べてキャラクターを作ったら絶対いけると思ったんです。結局、今では1500店舗に置かせていただいて、売上もナンバーワンです。東大阪ブランドにも登録していただきました。
ひとりだけ儲けてもいつか潰れる。東大阪でひとつの会社なんだという意識が必要。
東大阪ブランドって始めて聞きますよね。私も最近まで知らなかったんですけど、商工会議所の人が教えてくれましてね。東大阪発の製品でオンリーワンもしくはナンバーワンの製品を認定するというものです。当社はジュエリーシールの他、「メールブロック」、携帯の液晶画面を拭く「ケイタイモッパー」、携帯ゲーム機の画面に貼る「マジックフィルム」の4つが認定を受けています。もっと東大阪というブランド自体を広めたいと思って、いろんなところで紹介はしているんですけど。
熊本県に有名な温泉町があるんですが、ある時期すごくさびれてしまった。ところがその中のある温泉だけ、新しい試みを始めてお客さんが増えはじめた。それでそのお店はどうしたかというと、そのやり方を他のお店にも教えたんです。で、その温泉町自体が繁盛するようになったんですね。東大阪も一緒なんです。ひとりで儲けてもいつか潰れる。東大阪でひとつの会社なんだという意識でないといけませんね。東大阪のレベルが上がれば、売上も上がる、雇用も増える、税金ももっと払える。そうなってきたら今度は東大阪が補助金を出すとかして、もっと中小企業を海外へ押し出して欲しいですね。それがまた東大阪の力になるはずです。
― 将来の展開として海外展開は視野に入っていますか。
もちろん入っています。ちょうど先日、当社の製品がアメリカへ輸出されることが決まりましてね。これを足がかりに展開できないかと考えています。携帯電話のアクセサリ市場は実はまだ日本にしかないんですよ。韓国に少しあるだけで、海外には全くといっていいほどない。国内は競争が激化してきましたから、これからは海外を狙っていきます。国内の市場で苦労して鍛えた商品ですから、やっぱり海外で花を咲かせたいですね。
そのために品質も相当上げています。ジュエリーシールですが、これはEN71-Part3というヨーロッパの玩具安全基準を全てクリアしています。当社で扱う材料は石から接着剤から全て分析を行いました。雑貨メーカーでここまでやっているところは多分ほとんどないんじゃないでしょうか。品質ではどこのシールにも負けない自信がありますね。
自分がデザインした商品がすぐ店頭に並ぶんです
― 今後の課題についてお聞かせください。
当社は知名度だけはあるので、今後は知名度に見合った売上を出していきたいです。そのためには商品企画の力です。小さな会社で一番の武器は商品力ですから。品質も大事なんですが、当社はまだまだ扱う商品が少ない。最低でもこの10倍は欲しいです。今はデザイナー2名で回しているんですが、この部門の強化が急務ですね。商品企画という部署も立ち上げたばかりで、やっと月に20から30品番出せるようになってきた。わからないこともまだまだ多いので、雑貨のデザインから商品企画まで一貫したノウハウを持っている方がいたら大歓迎です。
こんな楽しい商品のデザインができるチャンスはなかなかないですよ。実際デザイナーさん、二人とも20代の女性ですけども、めちゃくちゃ嬉しそうに仕事してますね。自分がデザインした商品がすぐ店頭に並ぶんです。私も販売店で当社の商品が買われていくところをたまに見るんですが、やっぱり嬉しいですね。デザイナーとしての喜びはそれ以上だと思いますよ。
会社概要
| 社名 | 株式会社サンクレスト |
|---|---|
| 所在地 (大阪本社) |
〒577-0814 大阪府東大阪市南上小阪12番42号 |
| 所在地 (東京営業所) |
〒112-0004 東京都文京区後楽2丁目21番10号SHIROIWA-BLDG 2F |
| 代表者 | 代表取締役社長:植田 実 |
| 設立 | 昭和62年12月16日 |
| 事業内容 |
|
| 資本金 | 6,000万円 |
| 従業員数 | 17名 |
| ホームページ |


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