“造船バブル”から一変、激変する舶用機器業界 市場の荒波を乗りこなす船舶荷役関連装置トップシェアメーカー カヤバ・マックグレゴー株式会社 代表取締役社長 定金生馬氏

【写真】カヤバ・マックグレゴー株式会社 代表取締役社長 定金生馬氏
カヤバ・マックグレゴー株式会社
代表取締役社長
定金生馬氏
東京外国語大学卒業後、大手造船会社に就職。営業畑で活躍し、5年間のオランダ駐在を経験。その後MacGREGOR-Kayaba, Ltd.(カヤバ マックグレゴー社)へ転職、SERVICE部門の責任者となり、現在代表取締役の重責を担う。趣味はここ数年前に始めたという「能楽」。

ここ数年の“造船バブル”は異常。
海運会社・造船会社の誰もがこのブームを予測していなかった。

「ここ4、5年の造船業界のバブルは、はっきり言って異常ですよ。私はこの業界に30年いますけどね、こんな状況は経験したことがありません。」

カヤバ・マックグレゴー株式会社の代表を務める定金生馬氏はそう語る。同社は日本の造船所や造船メーカー向けに、ハッチカバー(風雨から積んでいる荷物を保護するために、輸送用船舶に取り付けられている金属製の扉)や、RoRo装置(船舶が着岸する際に、荷役を船舶から降ろす金属製の橋)等の製造・販売を行っている。

世界50カ国で展開しているグローバル企業の日本法人であり、ハッチカバーでは50%、RoRo装置では70%の国内シェアを獲得している。この業界において“マックグレゴー”のブランドを知らない人はいないほど市場を席巻している会社である。定金氏は続ける。

【写真】ハッチカバー・RoRo装置

「たしかに、“造船バブル”になりうる背景はいくつかありました。まず、中国などの新興国の経済成長に伴う造船ブームがその一つです。また、日本の造船会社も長らく造船不況が続いたこともあり、新しい船を造っていなかったため発注意欲があったのも間違いはないでしょう。お陰様でウチも2012年まで想定以上の案件を抱えています。」

ただ、一方で海運業界においては“造船バブル”の裏側で“2010年問題”と危惧されている問題があった。ここ数年の好景気を背景に、中国などを中心に新興造船所が一気に増えた。その新興造船所からの、新船建造のニーズが一気に高まったことにより、2010年には船舶が供給過多に陥るという問題である。これについて定金氏はこう述べる。

【写真】カヤバ・マックグレゴー株式会社

景気後退が良いブレーキに。
今は景気回復を見据えて、舵をどう切るかを考える時期

「リーマンショックに端を発する景気後退により、逆に助かった側面はありますね。この景気後退に伴い案件のキャンセルがあり、過剰だった受注量が適正に戻りつつありますから。そういう意味では、景気の後退が“造船バブル”のブレーキになった印象もあります。ウチもこのままハッチカバーの異常な受注増加が続くと、そのニーズに応える人員が追いつかなかったでしょうからね。なので、今は景気の動向をみながら、今後の戦略や人員構成を練る良い時期ですね。」

定金氏曰く、同社グループが扱っている製品の中で、まだ日本市場に投入していない製品がたくさんあるという。現在、その中で小麦や石炭・鉄鉱石などを船から降ろす装置を、日本で展開すべく準備を進めている段階だという。

「ウチはハッチカバーやRoRo装置などプロダクトによって専任のエンジニアを置いています。現在、販売計画中の新製品を日本市場に投入するにあたり、当然専任のエンジニアが必要となります。ただ、船の業界は狭いですから、なかなか即戦力者の人材には巡り合えないのが実情です。なので、他の業界出身の方でも学習意欲があって、まわりとうまくやっていく力がある方を採用したいですね。」

1億円を稼ぐとしたら「年収5000万円で2年」ではなく、
「年収500万円で20年」という考え方の人を採用したい。

【写真】カヤバ・マックグレゴー株式会社

「新造船を作る場合、計画段階から契約・商品化するにしても最低5年は掛かります。なので、お客さんと長く付き合う必要があるんです。10年経っても同じ担当者とやりとりしているケースもありますから、長くじっくりと技術を磨いて頂ける環境があります。」

この業界の特性として、製品のライフサイクルが非常に長く、長期契約が主体だという。そのため、お客さんはなかなか新しいメーカーを使いたがらない傾向にあり、他企業の参入障壁が非常に高い構造になっている。そんな業界特性だからこそ、学習意欲を持ち、まわりと協力しながらコツコツと積み上げていく“ものづくりのメンタリティー”を持った方にお会いしたいと定金氏は語る。

【写真】カヤバ・マックグレゴー株式会社

「ウチのエンジニアは設計やメンテナンスだけではなく、様々な場面に立ち会って頂きます。そのため、技術的スキルだけでなく幅広い知識を身につけることができます。例えば、契約時の法的な知識なんかがそうですね。また、各港湾都市の特徴も身につけることが出来るため、物をどこを経由して運ぶと最適な輸送が出来るかなど港湾周りのスペシャリストにもなることができます。

私は30年間この業界で色々な状況に遭遇していますが、そういった幅広い知識を得られることが実におもしろいです。今後も社員全員がそう思える会社であり続けたいですね。」そう最後に定金氏は締めくくった。

会社概要

社名 カヤバ・マックグレゴー株式会社
本社所在地 東京都港区海岸一丁目15番1号 スズエベイディアムビル 9F
代表者 代表取締役社長 定金生馬
設立 昭和59年9月17日
事業内容 ハッチカバー・RoRo装置など船舶荷役関連装置の設計・製造・販売
資本金 1億5000万円
従業員数 100名
URL http://www.mgk.jp/top.html

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