- 株式会社カナエ技研
- 代表取締役
- 竹内順一氏
- 技術者として民間企業に勤めた後、1988年株式会社カナエ技研を創業。 機械設計・部品加工にとどまらず、近年は自社製品の開発を積極的に手がけ、国内・海外への展開を進めている。
まだ世にないものを生み出して社会に貢献したい。
― 今年で創業から21年目ということですが、
創業当時の思いをお聞かせください。
私もかつてはサラリーマンをやっておりまして、独立したいと思ったのが30歳のときでした。それから3年間はがむしゃらに働いて、会社を起こしたのが33歳のとき。昔から本田宗一郎さんを尊敬していましてね、本田技研工業の名にあやかって、社名はカナエ技研としました。「カナエ」というのは、夢を「叶え」たいという思いから。メーカーとして、まだ世に出ていないものを生み出していく、それを通して社会に貢献していくというのが願いです。
― 自動ドリル再研削機の開発・製造をはじめ、事業は大きく成長していますが、その要となったのは何でしょうか。
運があるんでしょうね。それがここまで来ることができた分かれ目だと思います。経営者がどれだけ優れたプランを立てても、やっぱりそれだけでは上手くいかないんですよ。経営が危なくなったときは何度もありました。でも不思議なことに、その度に助けの手があったという感じですね。大きなお客さんと取引ができなくなったときに別のお客さんが助けてくれたり、苦しいときに優秀な人材が入ってきてくれたり。この津田サイエンスヒルズに工場を移転するときも、たまたま先約企業のキャンセルがあって、たまたま業績がよかったから銀行からお金を借りることができて、移ることができた。今振り返ると、節目節目に運があったとしか言えないんですよね。
ヨーロッパ・アメリカを含め、積極的に海外展開を考えています。
― カナエ技研の製品は海外にも輸出されています。海外展開に対する今後のビジョンをお聞かせください。
今は商社を通して東南アジアの企業に販売していますが、今後はもう少し深く入り込んでいきたいと思っています。海外では人件費を抑えつつ、不良品はなるべく出さないようにしたいというニーズが大きい。弊社の自動ドリル再研削機は、誰が操作しても同じように仕上がるというのが売りですから、海外でのニーズに十分応えることができた。同じ工程を人の手でやろうとしたら、その技術を身につけるまで何年もかかるし、そのためには経費も必要。弊社の機械だったら、一日の研修で誰でも使えるようになりますから。
CE(EU加盟国の基準を満たす規格)も取得しているので、今後はヨーロッパ・アメリカを含め、積極的に海外に進出していこうと考えています。実は工場を移転するときに会議用の和室を新しく作ったんですよ。海外からのお客さんに喜んでいただこうと思いましてね。先日もドイツから来客があったときにお通ししたんですが、とても気に入ってもらえた様子でした。
技術者は勉強、営業はやる気
― 社員の方々に対する思いをお聞かせください。
やっぱり長く働いてもらいたいですね。そのためには同じ価値観を持って働くということが大事ではないかなと思います。まだ世界にないものを生み出して、社会に貢献していく。製品にしても技術にしても、発展もすれば衰退もするんです。前の年と同じことを繰り返していたら、いつか会社は消えてしまう。会社が大きくなっていく要素というのが常に必要なんですね。だからこの会社は毎年毎年がチャレンジです。他の会社とは違うものを作りたい、というのも同じ理由ですね。
技術者は勉強です。学歴は関係ない。学歴がないからできない、というのは自分で壁を作っている人です。技術者は失敗するのが当たり前ですからね。できなければ人よりもがんばればいいだけです。
営業はね、これはもうやる気です。やる気だけといってもいい。うちの営業はやる気満々ですよ、売れてなくても声は大きいしね。今景気悪いですけど、それでもこの売れない時期に売ってくる営業がいるんですね。そういう人はモノを売ろうとしてない、自分を売ろうとしている。そうするとおしゃれにもなるし、やっぱり目立ってくるよね。やる気のある人はセンスも磨かれてくるんです。
今は種まきの時期、半年後には必ず芽を出します
― この不況を乗り切るためにどういった取り組みをしていらっしゃいますか。
不況は天災ではなく人災だという人がいますけど、つまり今の状況は人の手で変えていけるんです。そう考えれば少し楽になりますね。とはいえ今はどうしたって売れない時期ですから、種まきの時期だと割り切っています。
営業にも訪問件数を増やしなさいとしか言っていません。「何が何でも売ってこい!」と言ってしまったら、「どうしたら売れるんですか」と返されときに困るじゃないですか。「さあ」としか答えられない(笑)。自分が答えを持ってない指示は出したら駄目だと思います。それは自分の品格を落とす行為ですからね。
近いうちに東京、名古屋にも進出しようと思っています。これも種まきです。名古屋は今ほんとに景気悪いですからね、他がやらないときこそチャンスですよ。この不況は最低でも2年は続くと言われていますけど、ただ指をくわえて待っているだけではね。実際このままいけば2年後には中小企業、どこも残ってないですよ。そうすると、大企業も下請けに出すところかなくなってつぶれますよね。だから、不況とはいっても良い仕事をしている会社には仕事は回ってくるはずなんです。それを信じて攻めるしかない。守っていてもお金は減っていくだけですからね。しっかり種をまいていたら、3ヶ月後、半年後には必ず芽を出します。そしたら、また刈り取りの季節が待っているわけですから。
会社概要
| 社名 | 株式会社カナエ技研 |
|---|---|
| 本社所在地 | 大阪府枚方市津田山手2-19-10 |
| 代表者 | 代表取締役:竹内順一 |
| 設立 | 1988年7月 |
| 事業内容 | 自動ドリル再研削機・手動型ドリル研磨機等の開発・製造、CAD・CAMシステムでの プログラムの簡素化、カム加工、ヘリカル2.5軸加工、プログラムサービスでの提供 など |
| 資本金 | 2,000万円 |
| 従業員数 | 40名(2009年1月現在) |
| ホームページ | http://www.kanae-giken.jp/ |


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