- 株式会社角野鉄工所
- 専務取締役
- 角野嘉一氏
- 大阪国際大学卒業後、自動車査定会社に入社。営業としてわずか3ヶ月で全国4位の実績を上げる。その後、スポーツイベント会社に入社。新規部門でWEBサイトの企画・運営を担当し、独学でインターネットを学ぶ。現在は父親が経営する角野鉄工所にて、専務取締役として営業・加工・経理・労務・人事と幅広く業務を担う。
大阪府河内長野の住宅街にひっそり構える町工場がある。旋盤加工やフライス加工などを行う従業員7名の部品加工会社である株式会社角野鉄工所。特筆すべきは加工業としては珍しくインターネットを活用し、大幅な受注増を実現し実績を上げているという点だ。受注増へ向けての取り組みと今後の展開について、専務取締役の角野嘉一氏に話を聞いた。
広告力・ブランド力を活かしてWEBサイトを構築
― 今までのご経験や(株)角野鉄工所へご入社される経緯をお聞かせください。
大学を卒業してすぐに自動車査定会社に営業として入社しました。色々とご縁もあって、入社後3ヶ月程度で全国4位の営業マンになることができました。ただ、当時はもっとお客さんに喜んでもらって、満足してもらえるような仕事に就きたいなと漠然と思っていました。そんな中、ウィンタースポーツ関連のイベント販売を行っている会社に勤めている知り合いから声をかけてもらい転職することになりました。
転職からしばらくした後、社内で新事業部門が立ち上げることになったんです。それで、その新事業のトップの方からお声をかけて頂いたので異動することになりました。事業の中の一部でWEBを使った集客という案が持ち上がり担当させて頂いたのが、WEB展開に力を入れる事になったきっかけです。最初はWEB制作会社に外注していたのですが、WEBに対する細かい知識や展開方法等が勉強不足だったせいもあってか、こちら側が抱くサイトに対するイメージや展開が伝わりきらずWEB展開が思うような実績にならなかったんです。それがきっかけとなり独学でWEBを勉強して、WEBサイトの企画・運営を始めました。
ウィンタースポーツ関連のツアーはシーズンが限られていて、期間も短い。だから効果を検証して次の策を考えていくのは大変でした。ただ、もともと広告力やブランド力が強い会社だったので、そこを上手く活用して検索サイトで上位に表示されるよう仕組みを作り、軌道に乗せることができました。事業におけるWEB展開の可能性を強く感じたのはこの時ですね。
また、人間、やらなければならない状況に追い込まれたらなんでもできるんだと思いました。そんな中現在の職場の社長である父親と会社の事や将来の事を話す機会が何度かあり、当時の社内的な人員の問題や業務において仕事量が増えてきているという状況などもあって今の会社に入社する事を決めました。
ニーズのある会社は電話で問い合わせる。
インターネットと電話をいかに繋げるかが大事
― (株)角野鉄工所にご入社された当時は、どのような状況だったのでしょうか。
入社は今から5年程前でしたが、あまりよい状況ではありませんでした。経営状態もそうでしたが、古くから勤めている職人気質の方も多く、こちらの要望もなかなか受け入れてくれないため、思うようにいかないことが多々ありました。さらに、大手ベアリングメーカーの下請けとして、1社依存型の製造加工を行っていたので、将来的にはもっと色々な企業と取引すべきだとも感じました。
― そこでWEBを活用しようと思われたのですね。
そうです。前職の会社でWEBの効果や利便性の良さなどは肌で感じていましたし、WEBはどの業界にも通ずるものがあると確信していましたから、使わない手はないなと。WEB業者を使うことになりましたが、私自身制作経験があるため、今回は指示がしやすかったですね。
WEBサイトを作るに当たって心がけていたことは、ユーザー目線で作ることです。我々のような加工業でもWEBサイトを作っている企業はありますが、ユーザーから見て問い合わせしづらいWEBサイトが多いように思えます。WEBサイトはあくまでも受注するための入り口、ツールであるため、ユーザーから見て問い合わせをしやすいサイトにすることを常に意識しながら構成を考えました。
― 効果はいかがでしたか。
インターネットの威力を改めて感じましたね。サイトを立ち上げてから2年目になりますが、その間に100件を超える問い合わせがあり、新規受注も40件を超えています。7名の町工場では普通ありえない件数です。町工場の場合、オーダーをしてくる企業はエリアとしても限られてきますが、WEBを使うと違います。その対象は全国に広がりますから、ビジネスができるエリアが広がり、顧客も増える。今では関東なども含め全国から受注をいただいております。
製造業でWEBを活用して思いましたが、本当にニーズがある企業はメールではなく、電話で問い合わせをするんです。問い合わせの際、既に顧客は図面を用いて話をされます。「こういう図面でこういうものが欲しいんだけど、御社なら幾らでできるんでしょうか」といった具合に。場合によっては、「図面を持ってそちらに行くから話を聞かせてくれないか」という話をされる企業もあります。このように本当にニーズがある企業は、話が早く、ネットを入り口に問い合わせがあり、見積もりありきのビジネスが始まるんです。
― まさにデジタルとアナログの融合ですね。
そうです。製造業に関してはWEBでビジネスが完結することはありえないですし、そもそも予約システムや受注システムも要らないんです。WEBサイトはあくまできっかけとしての入り口ですから。もちろん、問い合わせ後はアナログ力の見せ所なので、しっかりとした対応が大切であることは言うまでもありませんが。
実はこのアナログ力の強化が課題です。製造業といえどもサービスを提供しているわけですから、電話対応一つとっても今までと同じ対応ではマナー不足。必要以上に丁寧なフォローが要求される場合もあるため、古い町工場に導入することは想像以上に大変でしたね。
異業種間のコラボレーションで新しいビジネスを
― 今後の展開についてお聞かせください。
まだ構想段階なので詳細はお話できないのが残念ですが、B to Cビジネスとしての展開や、我々と同じような製造業へのサービスを考えています。そのために、我々のビジョンに共感してくれるような人を採用していきたいと思っています。業界未経験でもいいので、前の業界で色々な経験や技能を持っている人を採用して、当社でそのスキルを活かして活躍して欲しいと思っています。いわゆる異業種間でのコラボレーションですね。
― 最後に求職者へメッセージをお願いします。
偉そうなことが言える立場ではないんですが、色々な職場を経験してきた僕から何か言えるとしたら「違うフィールドに行ってみませんか?」ということですかね。営業をやってきたから営業へとか、設計経験があるから設計へとかではなくて、あえてフィールドを外してみませんか?と。出身業界や経験職種に囚われず、広い視野で次の職場を考えてみても良いと思うんです。もともとやっていた経験は次のフィールドでも何らかの形で絶対に活きてくるし、むしろフィールドを変えたほうが、自身が持っているスキルやノウハウを持っている人がいないケースがあって、そういう転職のほうが逆に優位に働くケースもあると思います。
会社概要
| 社名 | 株式会社 角野鉄工所 |
|---|---|
| 代表 | 角野 吉伸 |
| 所在地 | 大阪府河内長野市楠町東1851 |
| 資本金 | 1000万円 |
| 設立年月日 | 昭和49年5月24日 |
| 従業員 | 7名 |
| 事業内容 | 汎用旋盤加工・フライス加工、NC旋盤による熱処理品の仕上げ加工 |
| TEL | 0721-21-8735 |
| FAX | 0721-52-5498 |
| URL | http://www.kadono-iws.jp/ |


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