- 株式会社アオキ
- 代表取締役社長
- 青木豊彦氏
- 1945年大阪府生まれ。高校卒業後、父親が経営する青木鉄工所に入所。95年社名を株式会社アオキと変更し、二代目社長に就任。同社を世界的航空機メーカーであるボーイング社の認定工場に押し上げた。航空宇宙を不況にあえぐ東大阪の地場産業にしたいという夢を持ち、「若者がモノづくりに魅力を感じて集まってくる、元気な町になってほしい」と期待し、日々活動する。
- 2002年7月に設立された「東大阪宇宙関連開発研究会」(東大阪商工会議所)会長。2002年12月に「東大阪宇宙開発共同組合」を設立し、2005年2月まで理事長を務める。また、2005年4月に東大阪市モノづくり親善大使に。2009年1月に人工衛星「まいど1号」が打ち上げに成功。これに先立ち、新たな人工衛星開発の継続を目的とした有限責任事業組合「航空宇宙開発まいど」を設立、代表の一人として活躍。
2009年1月、打ち上げに成功した小型衛星「まいど1号」。その成功は東大阪の中小企業の技術力を世界に知らしめた。この打ち上げの発起人となったのが、株式会社アオキ代表取締役社長の青木豊彦氏だ。「ものづくりは人づくり」をテーマに、宇宙への夢に向かってさらなる挑戦を続ける青木氏。その話ぶりから伝わってくる情熱とエネルギーは大きく、聞いている人に元気を与えてくれる。不況を乗り切るための秘訣を伺った。
若い人に興味を持ってもらおうと始めた人工衛星。
中小企業にぴったりのテーマやった。
何のために人工衛星をつくったん、ってよく言われるんやけどね。ほんまは衛星でなくても何でもよかった。今は不景気、不景気と言われているけど、2000年の頃も同じくらい景気は悪かった。そのときは東大阪からもの作りがなくなるとまで言われていた。なんでやと言うたら、技術者に若い人がほとんどいなくなっていたんやね。みんな50代後半になっていて、もう数年もしたら技術の継承もできなくなるという状況。これはなんとかせなあかん、もっと若い人に関心をもってもらわないとあかん、そう言ってとにかく動き出したのが始まりでした。
いろいろやりましたよ。アクセサリーをつくってみたりね。でも仲間が「もっと精度のあるものをしたい」と言ってきた。そのときは嬉しかったね。親には昔から「作ったものが空を飛んだらそれはすごい技術であるという証や」と言われていたんで、それやったら飛行機かロケットを作ろう、ということになった。でも莫大なお金がかかるんですわ。それで大学の先生のところに相談したら、人工衛星でいきましょうと。
マスコミもいっぱい取り上げてくれてね。これをきっかけに若い人も来てくれるようになった。で、やってみたら衛星というのはすごく奥が深い。小型衛星なら東大阪でも作れるし、中小企業にぴったりやった。宇宙には夢がある。夢があるからみんな注目してくれる。だから人工衛星というステージやったら中小企業の力を世界に示すのも不可能ではないと思ってるんです。
人工衛星を始めてわかったのは、人を育てることの大切さ
衛星作り始めてから、若い人がたくさん来てくれるようになった。でも実際のところどうやったかというと、来てすぐ辞めていく人も多かったんです。それで、人を育てるということをもっとちゃんと考えていかないとあかん、そう思うようになった。「ものづくりは人づくり」というのが、今の大きなテーマになっています。
これは最近聞いて感動した話やけど。あるガソリンスタンドを経営しているある社長さんのところにお得意様がクレームを言いにきて、取引をやめると言いだした。聞くと担当者の態度がなってないと言うわけや。社長さんはびっくりしてその担当者に事情を聞こうとするわな。ところが担当者は「言えません」という。言わんかったらクビやぞ、そう言っても口を開かない。
しばらくたってようやく、その担当者が「社長の悪口を言われたんです、それが許せなくて先方とけんかになりました」と明かした。それを聞いた社長さんが「そうか、わかった。この問題は俺がなんとかする」といって決着したという話。私これを聞いて涙出そうになったね。こういう社員が必要やと思った。
中小企業は社長イコール会社なんです。なにわ節ではないけれども、こういう愛社精神をもってくれる若い人が欲しい。就職しては辞めるという若い人は残念ながら少なくない。今はどこの中小企業の社長も会社を愛してくれる社員を求めています。求めているし、そういう社員に育てていかないとあかん。ものづくりは結局、人づくりなんですよ。衛星事業も、その教育のための一つのステージとして捉えているんです。
夢や目標を持って頑張って欲しい
今、不況で苦しいところやけども、そんなときこそ夢をもって頑張って欲しい。アオキも決して経営は決して楽じゃないけど、宮崎に新しく会社を作ったり、いろいろやっています。この先どうなるかはわからんけど、目標がないと始まらないでしょう。今はじっとしているよりも積極的に行動できる人が必要。野球で言えばデッドボールになってでも塁に出るぐらいの気概が欲しいね。
何かを始めるときに大事なのは、隠しごとをしないということ。今もいろんなところから講演の依頼が来ているんやけども、私いっつも同じ話ですよ。なんでそれでずっと依頼が来るんかなと考えてみたら、たぶん私が包み隠さず本当の話をするからやと思うんです。今の若い人は真実の話に飢えている。本当の話が聞きたい。論理武装された話なんかどうでもいいんです。それにね、正直に生きているとやっぱり最後はみんな信頼してくれる。だから隠し立てせず、オープンに振舞っていれば、人やお金は自然と集まってくるものなんです。
この衛星事業もね、あと3年たったら若い人にバトンタッチしようと思っているんです。衛星を作って打ち上げるだけやったら何にもならへん。この衛星を何に利用しようか、どう改良していこうか、そういうことを考える人も必要やし、資金を調達したり、いろんな団体とも協力していかないとあかん。興味を持ってくれた若い人がどんどんアイデアを出し合って、この事業を成長させて欲しいですね。
会社概要
| 社名 | 株式会社アオキ |
|---|---|
| 本社所在地 | 大阪府東大阪市高井田中5-7-3 |
| 代表者 | 青木豊彦 |
| 設立 | 1961年6月 |
| 事業内容 | 航空機部品、精密部品加工(アルミニウム、チタニウム、ステンレス、FRP複合素材)、金型加工、マグネシウム切削加工 |
| 資本金 | 1000万円 |
| 従業員数 | 35名 |
| ホームページ |
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